ノルマなし・裁量大 ── 専門家が価値発揮に集中できる組織とチーム体制

■M&A仲介というと、コンサルタントの方が非常に忙しいイメージがあります。コーポレートアドバイザー部の働き方はどうでしょうか?
立原:そこは誤解されやすいところですよね。コンサルタントは確かに忙しいですが、我々は専門家としてディールをサポートする役割なので、コンサルタントのようなノルマはなく、案件に伴走することに注力しています。繁忙期はありますが、平均すると残業もコントロールしやすいです。
雙木:コンサルタントは案件をつくることが中心なので、どうしても動きが多くなる。我々は、専門家として『案件に伴走する』ところに集中するので、働き方は全く違います。
■働き方の違いは、求職者の方も気になるポイントだと思います。
雙木:フレックスもありますし、家庭と両立しているメンバーも多いです。ルーティン業務のような『仕事のための仕事』が少ないのも大きいですね。内部資料を大量に作るとか、承認プロセスが何段階もあるとか、そういうことがほとんどありません。
立原:専門家として『価値を出す仕事』に集中できる環境だと思います。働き方の裁量はかなり大きいですね。
雙木:専門家同士の組織なので、無理な働き方を強いる文化はありません。むしろ、どうやったら効率よく進められるか、どうやったら営業をサポートできるか、そういう議論が多いですね。
■案件数は多いですか?
雙木:M&A仲介の業界最大手なので、案件数は多いです。ただ、すべての案件に同じ濃度で関わるわけではありません。深く入る案件は限られていて、その他は論点整理やスポットでの支援など、自然と濃淡がつくようになっています。
立原:むしろ、幅広い案件に触れられることで成長スピードが速いと感じています。業種も規模も論点も多様なので、専門家としての引き出しが一気に増えているなと実感します。
■コンサルタントとの連携はどのように行われているのでしょうか?
雙木:コンサルタントとは本当に『伴走』という感じです。担当がオーナーと話している中で論点が出てきたら、すぐに相談が来る。そこから一緒に案件をつくっていきます。
立原:担当者がオーナーの悩みを拾ってきて、我々が専門家として整理する。スキームを考えて、買い手にどう説明するかを一緒に考える。役割は違いますが、目指す方向は同じなので、連携は非常に密です。
■コンサルタントと専門家がチームとして動くのですね。
雙木:そうです。コンサルタントがいて、我々がいて、さらに法務のチームもいます。弁護士や司法書士も所属しているので、法務論点もすぐに相談できる。恵まれた環境だと思います。
立原:中小企業のM&Aは論点が多岐に渡るので、法務チームとの連携は欠かせません。専門家同士で議論しながら進められるのも、この仕事の醍醐味の一つかなと思います。
■コーポレートアドバイザーのみなさんはどのような組織ですか?
立原:とてもフラットですね。年齢も近いメンバーが多く、相談しやすい雰囲気があります。案件で悩んだときも、すぐに誰かが意見をくれる。専門家同士で議論できるのは大きいです。
雙木:専門家としてのバックグラウンドがあるので、共通言語が多いんです。だから議論が早いし、深い。案件の論点についても、遠慮なく意見を言い合える環境です。
■専門家として働きやすそうですね。
立原:はい。コンサルタントのようなノルマもないですし、専門性を磨きながら働けると思います。中小企業のM&Aは論点が幅広いので、自然と知識も広がりますし、チームで進めるので一体感もあります。
雙木:専門家としての成長と、働きやすさの両方がある。これはコーポレートアドバイザー部の大きな魅力だと思います。
■新しく入社する方については、どのようなサポートがあるのでしょうか?
立原:ここ数年で教育体制は変わっていますね。入社後は1ヶ月・3ヶ月の研修プログラムがあり、動画教材で基礎を学びつつ、雙木などがQ&Aセッションで実務の疑問に答える場もあります。
あとは『ニコイチ体制』もありますよ。入社後しばらくは先輩とペアで案件に入るので、実務を通じて学べます。
雙木:私は月1回の1on1も担当しています。業務の悩みやキャリアの方向性を一緒に整理する場ですね。
いま、日本M&Aセンターは『第二創業期』として教育体制を強化しているところです。まだ足りないところはあるかもしれませんが、専門家が安心して成長できる環境づくりを組織的に進めています。
会計士・税理士の専門性が横に広がる ── 仲介で得られるバリューアップ
■お二人は、仲介の現場でどのような成長を感じていますか?
立原:会計士としての成長軸が広がったと感じています。財務に明るくない、あるいは現場たたき上げのオーナーに対し、専門用語を使わずに説明する力が求められる。これは監査法人ではなかなか鍛えられない部分です。
また、オーナーが悩んでいるときに、何をどう整理して情報を提供し、どのように導くのか。まさに意思決定を支える経験は、仲介でなければできないと思います。
雙木:私は『人間的な成長』ですね。繰り返しになりますが、中小企業のオーナーは本当に魅力的な方が多いんです。会社や店を作り上げ、地域の中心人物として活躍してきた方。あるいは技術に人生をかけてきた方もいます。そういう方々の誰にも言えなかった不安を受け止めて、一緒に未来を描いていく。専門家としても、人としても成長できる環境だと思います。
■社内でのキャリアの広がりはありますか?
立原:M&A仲介の枠にとどまらないキャリアがありますね。例えば、グループ内のファンドに関与する機会があります。サーチファンドを含め、投資の現場に触れられるのは面白いですよ。
雙木:外部の会計事務所や税理士法人への出向の可能性もあります。専門性をさらに深めたい方には良い選択肢になると思います。
立原:中小M&Aの現場で一気通貫の経験を積むと、市場価値は確実に上がると思います。オーナー対応、スキーム構築、法務・労務・税務の横断的な判断など、他では得にくいスキルが身につくので。
雙木:組織が急成長しているいまだからこそ、自分でキャリアをつくっていける余白が大きいんですよね。専門家としての成長とキャリアの広がり、その両方を実感できると思います。
■最後に、この記事を読んでいる会計士・税理士の方へメッセージをお願いします。
立原:M&A仲介は会計士の“王道のキャリア”ではないかもしれません。しかし、専門性を横に広げたい方、現場で手触り感を持って働きたい方には、とても魅力的な選択肢だと思います。実像を知ってもらえれば、仲介の見え方は大きく変わるはずだと思いますね。
雙木:専門家としての知識を使いながら、経営者の人生に寄り添う。その両方ができるのが仲介の面白さです。専門性を生かしつつ、人の役に立つ実感を持ちたい方には、ぜひチャレンジしてほしいですね。
雙木達也
バリュー推進本部 ナレッジマネジメント部 部長 税理士/米国公認会計士/中小企業診断士
大手印刷会社、大手広告代理店、会社経営、デロイトトーマツ税理士法人での税務コンプライアンス ・ 組織再編コンサルティング・クロスボーダー税務業務従事経験を経て、2012年に株式会社日本M&Aセンター入社。
国内案件からASEANのクロスボーダーin-out案件まで多数の成約実績を有する。共著『中小企業M&A実務必携 M&A手法選択の実務』(きんざい)。
立原昌幸
バリュー推進本部 コーポレートアドバイザー
明治大学在学中に公認会計士試験に合格後、新卒で大手監査法人に入社。上場企業を中心に会計監査や内部統制支援業務の経験を経て、2023年に日本M&Aセンターに入社。
会計税務面からM&Aの助言活動を行い、組織再編案件・上場企業案件を含む多数のエグゼキューション支援業務に従事。会計事務所や地方銀行への研修業務にも幅広く参画。
日本M&Aセンターによる会計事務所のためのM&A情報プラットフォーム、MARINA
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