産休育休3回と働き方の柔軟性──KPMG税理士法人での両立のかたち

■家庭との両立についてもお話を聞かせてください。まず産休育休を取得して復帰していらっしゃるのですよね。

清水:入社して4年目になるタイミングで、最初の産休育休をいただきました。ちょうどシニアに昇進した年だったのですが、特に何の障害もなく送り出していただいて。「頑張ってきてね」という雰囲気で、とても温かく送り出してもらいました。そのときに2人続けて出産したので、丸3年間の産休育休をいただいています。

■まとめて取得されたのですね。

清水:1人目で2年、2人目でさらに1年ですね。長かった分、復帰する時は正直不安もありました。「ちゃんと戻れるかな」と思う日もありましたが、周りの方が「待っているよ」と声をかけてくださって、安心して戻ることができました。
その後数年働き、昨年3人目を出産して、また1年間の産休育休をいただきました。今年の春に復帰したところです。

■復帰後、現在の働き方について、どのように調整されているのでしょうか。

清水:3人ともなると、子どもの予定を調整しようにも難しい部分があって、平日に少しお休みをいただきたいと思っていました。そこで、木曜日の午後を固定のお休みとしていただく働き方にしました。週5勤務が基本ではありますが、木曜の午後だけは有給を使うことを復帰前に相談して実現しています。

■お子さんは今、何歳くらいでいらっしゃいますか?

清水:7歳、5歳、そして1歳です。しかも3人それぞれが別の場所に通っているので、送迎も3ヵ所あって。朝は3人の支度と送迎で、仕事が始まる前にすでに一仕事終えたような気分になる日もあります。夫との協力は必須ですね。

■通う場所も違って大変だと思うのですが、両立のコツのようなものはありますか。

清水:これはもうメリハリだと思います。
仕事がどうしても外せない時期は家族にお願いして、夫に頑張ってもらう。逆に、家族を優先しなければいけない日がある時は会社にお願いして、「この日だけはお休みをいただきたいです」とか「この時間から仕事をさせてください」と相談します。
ただ、毎回きれいに判断できるわけではなくて、「今日はどっちを優先すべきだろう…」と迷う日もあります。全部がうまくいく日はほとんどないですよ。
でも、どちらかを優先すると決めたら、もう片方には素直に頼る。これが私のなかでのコツかもしれません。
それから、周りに頼るだけではなくて、私自身も限られた時間をどう使うかを、とても意識しています。子育てをしながら働いていると、どうしても使える時間には限りがあるので、毎朝タスクの優先順位を確認して、「今日はどう進めるのが一番効率的かな」というのは必ず考えています。
限られた時間のなかでもしっかりと結果を出したいという気持ちがあるので、時間の使い方や仕事の進め方は以前にも増して意識するようになりました。周囲の助けにはありがたく甘えつつも、自分自身でも工夫と努力を重ねながら、仕事と家庭の両立に取り組んでいます。

■緊急対応が必要な場面もありますよね。

清水:あります!昨日も本当は木曜の午後でお休みだったのですが、緊急の業務が入ってしまって。夫にどうしても外せない時間だけ代わってもらって、私が戻れるタイミングでバトンタッチしました。子どもが熱を出した日は、夫と「今日はどっちが休む?」と相談して決めています。
イレギュラーがないと言ったら嘘になりますし、毎日が綱渡りみたいなところはあります。

■職場の理解やサポートはありますか?

清水:とても理解があります。私が「この日だけはお休みさせてください」とお願いして、ダメだった日は一度もありません。業務量が過度にならないようにアサインを調整していただいたり、別のプロジェクトではパートナーの方が代わりにミーティングに出てくださったり。「この会は出なくていいよ」と言ってくださることもあります。
直属の上司だけでなく、周りのメンバーが「大丈夫?」と声をかけてくださることも多いです。
私自身も、ほかのメンバーがアップアップになっている時は声をかけるようにしています。お互いに助け合う文化がある部署だと思います。

清水亜紗美氏の画像

清水亜紗美氏

■働き方、特に女性の働きやすさが進化していますね。

清水:それは感じます。私が最初に産休育休をいただいたころは、女性も少なくて、快く送り出してもらいながらも、「すみません、ありがとうございます」と頭を下げていた記憶があります。
今は、「無理せず頑張ってね」「待ってるよ」という言葉を自然に受け止められる雰囲気です。男女問わず子育てしている方が多いですし、家庭との両立は当たり前になってきていると思います。

専門性を深める楽しさと、働き方の選択肢──国際税務の現場から若手へのメッセージ

■最後に、これから税務のキャリアを歩む若手の方々へ、メッセージをいただけますか。

清水:税務の仕事は、覚えることも多いですし、最初は大変です。けれど続けていくと必ず「楽しい」と思える瞬間が来ます。
私自身、最初はデータ分析やITツールの活用も得意ではなくて、国際税務の専門用語に苦戦することもありました。案件を重ねるうちに「こういう仕組みなんだ」と理解できるようになって、そこから一気に面白くなりました。

■専門性が深まるほど、仕事の見え方も変わっていくのでしょうか。

清水:変わります。最初は作業に見えていたことが、実は大きなストーリーの一部であることがわかってきます。国際税務は特にそうで、企業の海外展開やグループ全体の動きがつながって見えてくると、仕事の面白さが広がります。
自分が担当している数字が、会社のどこにつながっているのかが分かるようになると、やりがいを感じられると思います。

■働き方について悩む若手も多いと思います。清水さんご自身は、どのように考えてこられたのでしょうか。

清水:働き方は人それぞれで考え方も置かれた条件も違います。私は3人の子どもがいて、毎日が綱渡りのように感じることもあります。
仕事を優先する時期もあれば、家庭を優先しなければいけない時もあります。どちらも大事なので、その時々でバランスを取りながらやってきました。正解があるわけではないので、自分に合ったやり方を見つけていけばいいのかなと思っています。

■若手の方が「両立できるか不安」と感じた時、どんな言葉をかけたいですか。

清水:不安に思うのは当たり前ですし、私もそうでした。でも実際に働いてみると、1人で何とかしようとしなくても、KPMG税理士法人には相談できる人がたくさんいました。私も復帰のたびに周りの方に助けてもらいましたし、ライフステージに合わせた働き方を認めてもらえる環境があります。
税務は長く続けられる仕事です。だからこそ、「1人で抱え込まなくて大丈夫」ということを伝えたいですね。不安なことがあれば周りに相談しながら、安心して自分なりの働き方やキャリアを見つけていってほしいと思います。

■最後に、清水さんご自身が今後どんなキャリアを描いていきたいか、教えていただけますか。

清水:国際税務の専門性は今後もさらに深めていきたいですし、DXのプロジェクトにも引き続き関わっていきたいと思っています。今はまだ子どもが小さいので、働き方を調整しながら無理なく続けていきたいですが、そのなかでもできることには積極的に挑戦していきたいですね。税務は常に変化・進化する分野なので、学び続ける楽しさがあります。もう少し子育てが落ち着いたら、新しい分野にもチャレンジしてみたいと思っています。
長く働き続けられる職場だからこそ、その時々のライフステージに合わせながら専門性を高めつつ、自分のペースでキャリアを積み重ねていきたいと思っています。

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