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公認会計士キャリア辞典:外資系金融機関 営業職/平井隆太氏

今回は監査法人という安定を捨てて、フルコミッションの営業マンとして活躍している会計士、平井隆太氏にお金のカラクリ侍こと松本ゆうやがインタビューしました。

―略歴を教えてください。

2011年に大学卒業後、1年間の資格浪人期間を経て2012年度公認会計士試験に合格しました。2013年2月から有限責任監査法人トーマツの金融事業部にて都市銀行・地方銀行をメインに金融機関の法定監査に従事し、法定監査以外にも地方銀行の統合プロジェクトやメガバンクの内部統制コンサルティング業務を経験しました。2017年1月からは外資系金融機関へ営業職として転職しました。

公認会計士を目指した理由は何ですか?

目指した理由は2つあります。安易な理由とちょっとだけ真面目な理由があります。笑

安易な理由は、大学の付属高校出身かつ高校の校舎が神保町にあったことから始まりました。部活動を引退して学部選択を考える2006年9月頃、専門学校の聖地である水道橋の目と鼻の先にある私の高校で「医師・弁護士と並ぶ士業である公認会計士が、今から目指せば合格しやすいです!」という勧誘活動が行われ、その言葉に魅力を感じたことです。正直、当時は公認会計士という名前すら知らなかったのですが、「合格しやすい資格なら何とかなるだろう」という軽い気持ちで勉強を開始しました。

一方、ちょっとだけ真面目な理由ですと、文系であった私ですが電気工事業を経営している父の右腕として役に立ちたいと考えていました。「資格を取れば電気工事のことは分からないけれど、経営のサポートが出来る!」と思い、会計や税金のことに加え経営学を学び、国家資格である公認会計士となれば、父は安心して事業を息子である私に引き継げるのではないかと家族のことを考えたためでした。

監査法人にいらっしゃったときの業務内容はどのようなものでしたか?

在籍した4年間のメインクライアントは銀行でした。具体的には地方銀行の法定監査に2年間関与した後、若手ジョブローテーション制度の対象となり都市銀行の監査チームに移り法定監査に2年間関与しました。この異動はクライアント規模の違いを肌で感じることが出来てとても良い経験でした。

ローテーションで違いを感じたことはありましたか。

特に大きな違いはお客様のターゲット層の違いですね。やはり地方銀行ですと地元の経営者の方や地主さんのお客様が多かったのに対して、都市銀行ですと金額の桁が地方銀行とは違うようなお客様が多かった印象があります。なお上記以外にも、メガバンクの内部統制コンサルプロジェクトに携わったり、一般事業会社の任意監査に携わったりしました。

良い経験をされたとのことですが、なぜ監査法人から転職しようと思いましたか?

公認会計士を目指した理由でも触れましたが、父の跡を継ぐことが頭の片隅に元々ありました。修了考査が終わったら父の跡を継ぐことについて考えようと、トーマツに入所した時から考えていました。

転職する際の選択肢や希望したことは何ですか?

公認会計士としてだけでなく、より広い概念として「営業力(人間性)」と「人脈」の2点を磨くことでビジネスマンとしてより強くなれる環境に行くことしか考えていませんでした。そんな中、転職する前に実際に外資系金融機関で営業職として働いている方のお話を伺う機会がありました。とても勉強になる時間であると同時に刺激的な時間でした。

どのように転職活動をしましたか?

転職しようと思い立った後すぐに、公認会計士専門の大手人材紹介会社2社と公認会計士とは関係ない一般の大手人材紹介会社1社に登録しました。実際にエージェントの担当者とお会いしたのは全社含めて2〜3回だったと思います。情報収集は異業種へ飛び込もうと考えていましたので、公認会計士の先輩や同僚ではなく、同じ業界で働いている先輩や同級生から話を聞きました。

転職先の特徴や入社の決め手は何でしたか?

営業職のオリンピックみたいなハードな営業が必要とされる会社です。転職の決め手は当時、今の上司からお声掛け頂き「一緒に働いてみたい」と感じたことが大きかったです。

 

転職先での業務内容は何ですか?また、監査法人との違いはどのような点ですか?

そもそも職種が異なりますし、違いがありすぎて困りますね。笑

そんな中でも監査法人と際立って違うことは「フルコミッション制度」です。頑張れば頑張った分だけ収入が増えます。ただ逆も然りです。いくら頑張っても成果があがらなければ全く収入はありません。交通費や接待交際費などの経費も自己負担ですので、大阪出張の帰りに片道1,600円の夜行バスに乗ったこともあります。笑

辛い経験や苦しい経験も監査法人の時とは比べものにならないくらいしました。でもそれ以上にお客様から「出会えて良かった」といった嬉しいお言葉を沢山頂きました。転職してすぐの時に電車を待つホームで目頭が熱くなったことは昨日の事のように覚えています。

今後のキャリアや展望について、今の考えを聞かせてください。

転職後に色んな経験することで価値観が変わり、多くの方と約束している将来の展望は「今の仕事に死ぬまで携わる」「投資ファンドを作る」の2点です。右も左も分からずに飛び込んだ私を信頼してご契約して下さったお客様を裏切るようなことは出来ませんし(私の販売している商品は一生涯のお付き合いが前提になるような商品です)、私の理想の姿を考えた時に投資ファンドを作ることが最善だと考えております。

最後に、転職を迷っている方へアドバイスをお願いします。

色んな方からご相談頂きますが、転職を迷っている方へのアドバイスって難しいですよね。笑

例えば監査法人在籍の方で転職を迷っている方でしたら「何に対して迷っているのか」を改めて考えて頂くようにしております。迷っている内容が「年収を下げたくない」「今の職場環境が嫌だ」等のようなネガティブな理由でしたら転職自体を考え直した方が良いとお伝えしています。監査法人という組織は比較的働きやすい環境ですし、監査法人の仕事しかしていない方が一般事業会社へ転職したところで監査の経験は殆ど活かせないので年収は上らないです。

少し厳しい言い方だったかもしれません。ただ監査法人から異業種の世界に飛び出した立場としては「公認会計士という資格の価値」について身をもって実感しました。ですから転職=新しい挑戦と考え、「自分にしか出来ないこと」「本当にやりたいこと」を前向きに考えて頂きたいです。そして勇気を持って一歩踏み出して下さい。

 

(インタビュワー:松本ゆうや)

 

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著者: 松本ゆうや

公認会計士

立命館大学卒。34歳。大手監査法人を修了考査合格直後に転職、会計系コンサルティングファームへ。財務調査、IPO、事業再生、不正調査対応といった会計業務を経験しつつ、新規事業開発やマーケティング支援まで幅広く経験し独立。独立してからコンサルティング業務を中心にしつつ、自ら飲食店や広告代理店も経営し、ベンチャー役員参画、多様なコンテンツ開発を自社で行うなど多角的に活動。フリーランスの公認会計士の立場からお金のカラクリ侍としてYouTubeも開設している。
◆youtube:お金のカラクリ侍
https://www.youtube.com/channel/UCtzX17fZ0z-iwG4GXsfS84g/videos?view_as=subscriber

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