経営者を目指して実業も担いながら、公認会計士として監査業務も行い、バランスよくキャリアを成長させている時田大地氏にお金のカラクリ侍こと松本ゆうやがインタビューしました。今回のインタビューでは、それがどのようなマインドで実現できているのかに迫ります!
―略歴を教えてください。

時田大地と申します。新潟県出身で慶應義塾大学を卒業し、2014年4月に新日本有限責任監査法人に入所、2018年7月まで在職していました。公認会計士試験は大学2年生から勉強を始めて、4年生で、いわゆる学生合格しています。監査法人を退職後はフリーランスで1年半ほど監査や内部統制など会計系の業務を、2019年4月より正社員としてお世話になっている監査法人ハイビスカスなどから受託していました。現在は、もう一つのメインの職場である株式会社Kanattaにもジョインし、ドローンの女性パイロットコミュニティである「ドローンジョプラス」の運営兼経理を担っています。株式会社Kanattaでは、週末起業のような形で、平日夜や休日を中心に仕事をしています。
―公認会計士を目指した理由、受験生時代について教えてください。
新潟県におります父が社会保険労務士と中小企業診断士の資格を持っていて、経営コンサルタントとして地場の個人事務所を経営しています。そんな父の背中を見て育ち、幼い頃から父の個人事務所でイキイキと働いている姿を良いなと思っていました。そんな父から公認会計士という資格を目指してみたらどうだと勧められたことがきっかけです。
受験生時代は大学生だったのですが、公認会計士の勉強だけではなく、ゼミもバイトもサークルも大学生活らしいことも十分にしながら受験生をしていました。もちろんバランスやメリハリがないと成り立たなかったので気を付けて生活していました。週のうち1日は勉強のことを忘れてサークルやゼミなど勉強以外のことをし、週のうち6日は勉強を中心にしっかりと頑張るといった生活を繰り返していました。
公認会計士の試験自体は試験の直前になって成績が伸びて合格に滑り込めました。追い込みに強いタイプというより、当時通っていたCPA会計学院の指導方針である「直前までは理解を追求して、直前で暗記に振り切って一気に伸ばす」の戦略が自分に合っていて上手く仕掛けに乗っかれたと思っています。
―監査法人にいらっしゃったときの業務内容を教えてください。
最初の2年間はそれほど規模が大きくはない上場企業の監査チームやIPO支援のアドバイザリー業務、学校法人会計に関する業務、IFRSの初度適用の業務など監査法人の現場スタッフとして幅広い経験をさせていただきました。たまたまアドバイザリー事業部に1カ月だけ移籍して業務を経験するといった事もありました。
3年目からは、3社のインチャージを任される形となり、かなり忙しくなった印象が残っています。業務のうち、IPO支援ではクライアントが実際に上場することもあり、良い経験にもなりました。インチャージとして監査をしていたクライアントは親と子で業種が異なる親会社が上場している会社で、全く別会社のような2社なのに、同時に監査する感じでとても苦労していました(監査経験者の方ならニュアンス伝わりますでしょうか)。その他は6つの投資組合でグループ体となっているファンドの監査でした。3年目は特にですが、とにかく忙しかった印象です。
また、監査業務以外の業務としてリクルーターを務めていました。売り手市場だったので、手厚さのある少人数で話す機会を大切にして活動していました。どんなことを本人がやりたいのかや、将来どうなりたいのかを求職者とディスカッションして相談に乗るようなスタイルでした。担当していた方で実際に入社してくれた方もいらっしゃって、自分がさせていただいたキャリア相談が印象に残っていて入社したと本人から伺い、業務ではなく人として繋がれていた感じが嬉しかったですね。
―転職しようとおもった理由やきっかけは何ですか。
漠然といつか経営者になりたいとは思っていました。転職活動のためというより経営者になるための道を模索するために、これまでのあらゆるツテを使い、色んなご縁をもらって経営者や経営者に近い方にお話を聞いて回っていました。おかげでかなり視野が広がり、フィールドを変えて勝負してみようと思えたことがきっかけでした。
もっと具体的に申し上げますと、たくさんお話を聞いて回る中で憧れるほど目標にしたいなと思った方がいらっしゃいました。その方は10歳くらい歳上の方で、育児・会社経営・趣味の全部を満足にやっていて、充実感がにじみ出た方でした。
とくに、その方の「仕事の報酬は仕事」という金言が印象に残っています。これは「良い仕事ができるとより面白く、やりがいのある仕事がくる」という意味で、自分のレベルアップを人生を通して本気で追求している方だからこそ出る言葉だと感銘を受けました。
また、「自分の看板で勝負するからこそ自分の成長を感じられて楽しい」ともおっしゃっていて、自分も会社の看板や公認会計士という資格ではなく自分の名前で勝負できる人になりたいなと思いました。
キャリアについても相談したところ、「経営に近い所で仕事をした方が経営を学べる」とのアドバイスから、経営に直接携われる仕事を探そうと退職を決意したことが転職しようとおもった本当の意味でのきっかけでした。
―転職する際の選択肢や希望したことを教えてください。
将来は経営者になるためのステップアップができるキャリアを志向して退職したため、経営ノウハウが身につくことを求めました。とはいえ、株式会社ディー・エヌ・エーの南場 智子氏(現代表取締役会長)の本で「コンサルと経営は全然違うものだ」と知り、経営を学ぶと言ってもコンサルティングのような業務だとあくまで経営ではないと思ったので、いわゆる実業で経営にプレイヤーとして入れるところを希望しました。
しっかりと準備してから経営者として独り立ちしたいという保守的なところもあったので、監査業務以外のビジネスと両立できる会計士のスキルを活かせる仕事も同時に探しました。
―転職に際してどう動いたか教えていただけますか。
大学時代の友人と飲む機会があり、その友人から「俺の働いている会社に来いよ」って言ってもらえたことで、「人の縁で繋がっていけものなんだ」と気付きました。その後、片っ端から自分の繋がっている人に会いに行きました。そして、自分は将来どうしたいかをどんどん色んな人に相談していきました。すると段々と相談した先から「こんな人もいるよ」と、紹介してもらえるようになって転職のきっかけにまで繋がっていきました。
―転職先の特徴や入社の決め手は何でしたか。
監査法人ハイビスカスは、「監査法人、税理士法人、コンサルティング」が1フロアに在って風通しがよく、リレーションがとても良い会社です。実際に業務委託で働き始めてみて自己表現できる事務所と感じていました。業務委託で働いている間に、経営者になるための道だと思っている株式会社Kanattaとの両立を応援してくれたので、業務委託から兼業が可能な条件付き正社員となりました。
株式会社Kanattaは自分がゆくゆく独立して経営者になるための道だと思っていますが、ここを選んだ理由は社長や副社長と仕事をしたいと思ったからです。社長は女性の公認会計士でビジネス的なバックボーンが似ているため、ビジネスの論理展開といいますか、会話がしやすくて、チャレンジする自分のことを理解してくださる心強い存在だと思っています。また、男性ばかりが活躍している業界で、女性が活躍していける世界を実現したいという社会性のある社長の思いを純粋に応援したいなと思ったことも要因です。
副社長は少し変わった方で、高校生まではかなりヤンチャをしていたところから、大学は自分と同じ慶應義塾大学に進学し、在学中から起業したり投資を始めたりしていたアグレッシブな熱い方です。卒業後は某大手証券会社で優秀な営業成績をあげていらっしゃったらしく、現在は株式会社Kanatta以外にも自分で経営を行うなど、バリバリで熱い人です。人間的にも幅が広くて素敵な面白い方だと思っていて、いつも刺激を受けています。
プライベートの付き合いで紹介を受けて、この2名と一緒に仕事できると部活を一緒にしているような楽しさがあって毎日が充実するだろうなとワクワクしたことが株式会社Kanattaに入社した決め手です。
―現在の職場での業務内容や業務で意識されていることを教えていただけますか。
監査法人ハイビスカスでは、2社のインチャージとして自分の公認会計士としてのスキルを活かしています。業界や会社への貢献を意識しようと思っていて、とくに人材育成に注力しています。監査法人ハイビスカスでは、いわゆる公認会計士試験合格前の方もスタッフとして何名か活躍しており、これから頑張って資格をとって公認会計士になりたい人が働きやすい環境を応援すべく、教えるときは勉強していることと実務がリンクするように伝えることを心がけています。
また、会計士の仕事も広く世間に伝えていきたいと思っています。新日本有限責任監査法人の3年目のときに、会計監査講座を出身の慶應義塾大学のゼミで後輩たちに提供したことがあります。同じような活動を再開してみて、現場の面白さも伝えらえるような会計とか監査の面白みが伝えていけるといいなと思っています。
株式会社Kanattaでは、経理、法務などバックオフィス業務も行っていますが、ベンチャーらしく営業、広報、ドローンジョプラスのイベント運営などフロント業務もなんでも対応しています。むしろこういったフロント業務の感覚を身に着けたくて積極的にチャレンジし続けているのです。
また、今までのところで働いてみて身についてきたなと思えた感覚もあります。監査では基準ありきで進めるため、「やるべき」や「あるべき」がある程度は体系化して存在していましたが、営業の業務を通して「目の前の人が何を求めているのか」を常に考えられるようになりました。常に目の前の人へ自分や株式会社Kanattaが何ができるか、win-winになれるかを徹底して考える癖がつきました。
さらに、企画をカタチにしていくことも身についてきたと感じています。ドローン業界はまだまだこれからなので、成熟していない業界を開拓していく意識で取り組み、何をどう提供し、どう会社として利益を上げていくのかを常に考えて「ドローンでプログラミングを学ぶ」というアイデアを売り物にしています。監査では自分の専門分野だけで戦えますが、事業はそうはいかないので、自分以外の専門家とも協力体制を構築しながら企画書を仕上げていっています。
―今後のキャリアや展望について教えてください。
現在28歳ですが、30歳では自分の会社を設立したいと思っています。その際には、自分のビジネスの中で地元を応援したいと思っています。昔は地元が田舎臭く感じて正直なところ嫌いだったのですが、東京に来てから新潟の良さに気付き、もっと新潟の良い所を東京、全国に届けたいなと感じています。
―最後に、転職を迷っている方へアドバイスをお願いします。

転職前に起こしてほしいアクションがあります。先を走っている先輩に業界関係なくたくさん会ってみてください。視野が広がります。将来に具体的なイメージを持てるようになるのです。目の前の人が5歳上だったとしたら、自分も5年後にこうなれるかなとか、自分を投影してイメージしながらお話を聞いてみるとよいでしょう。そうやって将来像のイメージを固めて動くことが重要です。とくに、あこがれる人を見つけて素直に学ぶことが大事です。「どうやってきたんですか?!」って聞いてみるのです。そうしたら自分でも実際にやってみましょう。なんでも自分でやってみて確信を得ることが大切だからです。僕が株式会社Kanattaの副社長から言われて転職する際の最後の1押しになった言葉があります。「信じるな、疑うな、確かめろ」。元は株式会社サイバーエージェントの藤田晋社長の言葉らしいです。1歩1歩チャレンジして確かめていきましょう。
インタビューへのご協力、ありがとうございました。
(インタビュワー:松本ゆうや)
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