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元国税庁国際担当官 多田恭章の海外取引に関する税金知識:国外財産調書のチェックポイント① 国外財産調書の提出義務者

【ケース3】来日7年目の外国人

『Cは外国人(外国籍)ですが、7年前に来日し、そのまま日本に居住しています。Bは本国に3億円を超える預金や不動産などを保有していますが、国外財産調書を提出する必要はあるでしょうか?』

 

Cは非永住者以外の居住者(永住者)に該当するため、国外財産調書を提出する必要があります。

Cは来日して7年が経過していますので、日本国籍を有していなくても非永住者には該当しません。したがって永住者として国外財産調書を提出しなければなりません。

このように日本に在住する外国人の場合は、永住者になるタイミングをチェックしておく必要があります。

【ケース4】海外からの帰国者

『D(日本人)で、10年間の海外支店勤務を終了し、本年9月30日に帰国しました。今後は日本本社での勤務となります。海外赴任中に貯蓄した預金や有価証券等が約8,000万円程度あり、海外に残してきました。Dは、国外財産調書を提出する必要はあるでしょうか?』

 

居住者であるかどうかの判定は、その年の 12 31 日の現況により判定することとされています。Dは、12月31日現在において日本の居住者であり、かつ5,000万円を超える国外財産を有していますので、国外財産調書を提出する必要があります。

【ケース5】借入金で海外不動産を取得した者

『E(日本人)は、ハワイで1億円のコンドミニアムを自己資金3,000万円と金融機関からの借入金7,000万円で購入しました。この場合、正味財産は3,000万円となりますのが、国外財産調書を提出する必要はあるでしょうか?』

 

国外財産を借入金で取得した場合であっても、借入金元本を差し引くことはできないため、国外財産調書の提出が必要となります。

国外財産調書の提出義務が生ずる「5,000万円超」の計算においては、国外財産そのものの価額を判断基準としています。よって、海外財産をローンを組んで購入した場合であっても、ローンの金額を差し引く前の金額が5,000万円超であるかどうかで判断します。

よって、このケースでは、国外財産そのものの価額である1億円を基に判定するため、国外財産調書の提出義務があることになります。

なお、国外財産調書の場合、財産債務調書とは異なり、債務の金額は記載事項とはなっていません。国外にある財産のみを申告する調書となっています。


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著者: 多田恭章

租税調査研究会 主任研究員

元国税庁国際業務課、国税局国際専門官
中小企業に対する税務調査や国際税務に関する経験等をフルに活かし、企業の方々の抱える疑問や不安を少しでも解消できるよう、適切なアドバイスをしていきたい。
■税と経営の顧問団租税調査研究会
https://zeimusoudan.biz/

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