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元国税庁国際担当官 多田恭章の海外取引に関する税金知識:国外財産調書のチェックポイント① 国外財産調書の提出義務者

5,000万円を超える国外財産を保有する居住者(非永住者を除く)は、翌年の3月15日までに「国外財産調書」を提出しなければなりません。最近では、富裕層が保有する国外財産に対する国税当局の監視は厳しくなっていることから、国外財産調書の提出漏れには注意する必要があります。今回は、国外財産調書の提出義務者を中心に確認したいと思います。

【ケース1】給与所得者で、年末調整で終了している者

『Aは給与所得者で、勤務先で年末調整を行っているため確定申告はしていません。海外に5,000万円を超える預金を保有していますが、国外財産調書を提出する必要はあるでしょうか?』

 

確定申告を必要としない者であっても、保有する国外財産が5,000万円を超えている場合には「国外財産調書」を提出しなければなりません。

国外財産調書制度では、非永住者以外の居住者(永住者)で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合に、その年の翌年の3月15日までに「国外財産調書」を所轄税務署長に提出しなければならないこととされています。

したがって、確定申告書の提出の有無に関わらず、年末において5,000万円を超える国外財産を有しているのであれば、国外財産調書を提出しなければなりません

【ケース2】来日3年目の外国人

『Bは外国人(外国籍)ですが、3年前に来日し、そのまま日本に居住しています。Bは本国に3億円を超える預金や不動産などを保有していますが、国外財産調書を提出する必要はあるでしょうか?』

 

Bは非永住者に該当するため、国外財産調書を提出する必要はありません。

【ケース1】で述べた通り、国外財産調書の提出の対象となるのは非永住者以外の居住者となっています。

所得税法に規定する「居住者」とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいい、 「非永住者」とは、居住者のうち、日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人をいいます

Bは居住者ではありますが、日本国籍を有しておらず、過去10年間において国内に住所を有していた期間が約3年であることから非永住者に該当するため、国外財産調書の提出は必要ありません。

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