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海外子会社の増資引受けと受贈益課税:元国税庁国際担当官 多田恭章の海外取引に関する税金知識

海外子会社の増資を引受ける場合、「有利発行」に該当しないかどうかの確認が必要となります。もし、海外子会社の新株発行が「有利発行」に該当する場合には、日本親会社に受贈益の課税が行われるリスクがあります。

海外子会社を設立する場合、現地法令による外資規制や事業上の理由などにより、海外子会社に対する出資比率が100%未満となる場合があります。

その後、親会社が、海外子会社の資金需要に応えるため、海外子会社の株式を時価を下回る価額で第三者割当増資により引き受ける場合、(いわゆる「有利発行」に該当する場合)、時価と払込金額との差額について日本親会社が受贈益として課税されるリスクがあります。

有利発行とは

有利発行とされるのは、有価証券と引き換えに払い込みをした金銭の額が、払い込むべき金銭の額を定める時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額(=時価)に比して有利な金額である場合です。

有利発行に該当した場合には、海外子会社の株式の取得価額は時価となります。

したがって、有利発行の場合は『払込金額<時価』となるため、実際の払込金額と時価との差額が日本親会社の受贈益してと認定されることになります。

例えば、有利発行により取得した株式について払い込んだ金額が1株50円であるのに対し、その株式の時価120円であるとすれば、その株式の取得価額は120円とされ、払込金額との差額70円が受贈益として益金の額に算入されることとなります。

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