有利発行かどうかの判定

有利発行に該当するかどうかの判定については、海外子会社株式の時価と払込金額との差額がおおむね10%相当額以上であるかどうかにより判定することとされています(法人税基本通達2-3-7)。

また、ここでいう海外子会社株式の時価とは、払込金額の決定日の価額のみをいうのではなく、決定日前1月間の平均株価等、払込金額等を決定するための基礎として相当と認められる価額をいいます。

なお、会社法では、有利発行を行うには株主総会の特別決議を要するとされていますが、税法上の有利発行に該当するかどうかは、上記の観点から行われるため、株主総会の特別決議があったかどうかは問わないこととされています。

海外子会社株式の時価の計算

海外子会社株式の時価については、海外子会社が非上場会社であるとすれば、法人税基本通達4-1-5及び4-1-6に準じて合理的に計算される価額とされています(法人税基本通達2-3-9⑶)。

これによると、株式の区分に応じ、以下のように算定されます。

(1)売買実例のあるもの

→前6月間において売買の行われたもののうち適正と認められるものの価額

(2)公開途上にある株式

→金融商品取引所の内規によって行われる入札により決定される入札後の公募等の価格等を参酌して通常取引されると認められる価額

(3)売買実例のないもので類似法人の株式の価額があるもの

→当該価額に比準して推定した価額

(4)(1)から(3)までに該当しないもの

→株式発行法人の事業年度終了の時における1株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額

なお、課税上弊害がない限り、一定の条件の下、財産評価通達の「取引相場のない株式の評価」の例によって算定した価額を用いることもできます。

 

近年では、海外子会社に対する増資を額面で引き受けた場合に、額面と時価との差額が受贈益に当たるとして法人税の課税が行われた事案が見られることから、新株の発行価額には注意が必要です。


個別転職相談(無料)のご予約はこちらから

最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。

 

◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします

メルマガを購読する