今は学生でも場所と時間を選ばず稼げる時代です。中にはYouTubeで稼ぐ子も。こういった子は必ず扶養控除の対象になれるものなのでしょうか。

■大学生の子がいても扶養控除できるとは限らない

大きな子どものいる親にとって「扶養控除」は年末調整必須の項目です。19歳以上23歳未満の子がいると、63万円の所得控除ができます。教育費を重く感じる親にはありがたいものです。

しかし扶養控除ができないときもあります。それは「子どもが稼ぎすぎているとき」です。そして今、親は我が子の稼ぎを把握にくくなっています。どこでも稼げるからです。

昔、学生の稼ぐ手段はバイトだけでした。親は子の行動で稼ぎの有無を把握できたのです。しかし最近はインターネットのおかげで自宅にいても稼げます。「学生の子が家にいる=収入がない」とは限らないのです。YouTubeやアフィリエイトでまとまった収入をこっそり稼いでいるかもしれません。

そして自宅での稼ぎは、お決まりの「103万円以下」という基準が使えません。別の基準で扶養控除の可否を判定します。だから厄介なのです。

■月10万円YouTuberの子どもの所得計算は

子どもが自宅で稼いでいた時の所得の考え方を見ていきましょう。20歳の学生の子がYouTubeで月20万円稼いでいたとします。

先ほど触れた「103万円以下」という基準は、バイトなどの給与所得で使います。YouTubeによる収入は給与所得ではありません。事業所得か雑所得です。

扶養控除の所得基準は本来、「合計所得金額48万円以下」です。自宅で稼ぐ子どもの扶養控除の可否判定もこの基準で行います。

YouTubeビジネスでの所得は「総収入金額-必要経費」で計算します。月収10万円なら年間の総収入金額は120万円です。子どもの必要経費が年72万円以上なら年間所得は48万円以下に収まります。機材費や通信費、取材や撮影のための交通費などが年72万円以上あれば親は扶養控除を受けられますが、費用が少ないなら対象外です。それだけでなく、いろいろ面倒が生じます。