■子どもの節税対策は
親としては扶養控除を受けたいし、できれば子どもの税負担も減らしてあげたいものです。節税するにはどうしたらいいかをここから見ていきましょう。
●必要経費を正確に計算する
必要経費を正確に計上しましょう。必要経費になるものは「事業に直接必要な支出」です。YouTubeのビジネスにだけ使うデバイス代や通信費はそのまま全額経費計上できます。
しかし大抵は私的な支出と一緒になっているはずです。こういったものは、合理的・客観的な基準で按分し、事業用の支出を経費にします。通信費なら「使用頻度や通信時間」、賃貸のアパートの一室なら「面積割合」などが按分基準です。
この他、タブレット、PCといったデバイスは、10万円未満なら一度に経費計上できます。10万円以上のものは、いったん資産計上してから減価償却するのがルールです。ただし、20万円未満のものに限っては「取得価額×1/3」を3年に渡って償却費として計上できます。
●事業所得としての申告や青色申告は
「事業所得、しかも青色申告で申告すれば節税できる!」と思う人もいるでしょう。青色申告には次のようなメリットがあるからです。
・損失を翌年以後3年間繰り越せる
・損失を前年の黒字と相殺して繰戻還付ができる
・65万円もしくは55万円または10万円の特別控除
・30万円未満の固定資産を即時償却できる
・家族への支払を「青色専従者給与」として費用計上できる
こういった節税は魅力的ですが、学生のYouTuberが青色申告できる可能性はほとんどありません。
事業所得として申告するには「営利目的で反復的・継続的に行っている」「生計を立てている」「職業としての社会的な地位」「精神的・肉体的な労力の程度」などが問われます。しかし学生のYouTuberについては、学生であること、月収が10万円と少額であること、さらに親の扶養で生活していることを考えると「YouTube=事業レベル」と言えません。ですから既述の通り、雑所得として申告するのが自然です。
「会計ソフトで帳簿をつけていれば青色申告できる」と思われがちです。しかし実際に事業所得、しかも青色申告で申告するなら、「規模」のハードルも超えなければなりません。



