■新型コロナウイルス感染症の特例

マル経融資にも新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者に対する特例が設けられております。

対象となるのは、新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヵ月間の売上高が前年同月と比べて5%以上減少している事業者(前年ではなく前々年もしくはその前年との比較でも可)。

または過去6ヵ月の平均売上高が前年同期と比較して5%以上減少している事業者(こちらも前々年もしくはその前年との比較でも可)。

なお、この特例でも、商工会議所や商工会の経営指導を受けていることが必要です。

・新型コロナ特例の融資条件

  • 融資限度額:3千万円(通常の融資枠+別枠1千万円)
  • 返済期間:運転資金7年以内、設備資金10年以内(通常の融資と同じ)
  • (据置期間:別枠については運転資金3年以内、設備資金4年以内)
  • 利率:別枠は通常の利率-0.9%(当初3年間)。さらに当初3年間は実質無利子の制度あり。
  • 担保・保証人:無担保・無保証人

通常のマル経融資に比べて融資限度額が引き上げられており、利率も当初3年間はより低い金利となっています。

■マル経融資の手続き

マル経融資では、融資実行まで次のような手順で進められます。

下図は東京商工会議所の例ですが、他の商工会議所や商工会でも同様の流れになります。

東京商工会議所 https://www.tokyo-cci.or.jp/shibuya/marukei/

申込みは商工会議所や商工会で行い、商工会議所・商工会で審査された後、日本政策金融公庫に推薦されます。通常の融資と同じように、日本政策金融公庫での審査がありますが、商工会議所や商工会の推薦がありますので、通常の融資よりも比較的スムーズなケースが多いでしょう。

・必要書類

マル経融資を申請するにあたって、次のような書類が必要となります。

<法人>

  • 前期・前々期の決算書、確定申告書
  • 最近の残高試算表(決算後6ヶ月以上経過している場合)
  • 法人税・事業税・法人住民税の領収書または納税証明書
  • 履歴事項全部証明書
  • 見積書・カタログ等(設備資金の場合)

<個人事業主>

  • 前年・前々年の確定申告書、決算書(または収支内訳書)
  • 所得税・事業税・住民税の領収書または納税証明書
  • 見積書・カタログ等(設備資金の場合)

これらの他にも必要に応じて追加書類の提出が求められます。

たとえば、1500万円超の融資申込の場合は事業計画書が必要とされています。これは東京商工会議所の例ですので、他の商工会議所や商工会では異なる可能性があります。ただし、ある程度の金額の融資を受けるにあたっては、その資金を有効に活用するため、問題なく返済していけるか検討するためにも事業計画は作成した方がよいと考えます。