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令和2年度のマル査事案は過去最少 コロナ禍で調査鈍る

令和2年度の査察(マル査)調査は、過去最少件数となった。国税局査察部は、通称、マル査と言われ、悪質な脱税を調査する。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症のまん延に伴い、着手・処理件数は大幅に減少し告発分の脱税総額が過去最少となった。一方、告発率は高水準で、ピンポイントでターゲットを絞った調査が行われた格好だ。

前年を着手件数で39件、処理件数で52件も大幅減少

今年3月までの1年間に行った全国での査察調査の着手件数は111件で、前年度の150件を39件も下回っている。着手件数は、昨年からコロナ禍により調査が実施できなかったことが大きな要因として挙げられるが、近年増えている「消費税受還付事案」や「無申告ほ脱事案」、「国際事案」のほか、市場が急速に拡大している分野や時流に即したものなど社会的波及効果が高いと見込まれる事案を積極的に着手していることもあり、平成26年度事績での194件を境に6年連続して減少している。

継続事案を含む処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)件数も着手件数以上の52件も前年度より少ない113件にとどまっている。減少要因は、コロナ禍のほか、年々不正の手口が複雑・巧妙化していることから不正取引の解明に長期間を要する事案が増えていることが大きい。そのような中でも、電子機器に残る記録を収集・分析し証拠性を明らかにするデジタルフォレンジック技術を活用したデータの解析、租税条約等に基づく外国税務当局との情報交換を積極的に推進するなどにより、厳正な処理が進められている。

処理した113件の脱税総額(加算税含む)は昨年同様に、処理件数の減少に比例して90億5千万円(前年度119億8500万円)とこちらも減少となったが、1件当たりの脱税額では8千万円と増加してこの3年間では最も高い。

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