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【コラム】大相撲・白鵬引退で注目される年寄名跡の取得 譲渡でどうなる課税問題

2021年9月30日、大相撲で史上最多となる45回の優勝を果たした、平成の大横綱の白鵬が現役を引退した。白鵬の引退に伴い注目されているのが「年寄名跡(年寄株)」だ。年寄名跡とは、日本相撲協会の中で年寄(親方)を襲名することができる権利のこと。年寄名跡は、日本相撲協会が管理すること及び名跡の襲名、襲名の推薦に関して金銭等の授受を禁止している。しかし、実質的には高値で取引されているとの噂もあり、一体課税問題はどうなっているのだろうか。

現役を引退した白鵬は、2019年に日本国籍を取得。すでに、親方として日本相撲協会に残る資格を得ている。これまでなら、功績著しい横綱のみ現役時代の四股名で親方になることが認められてきた「一代年寄」の襲名が濃厚だった。大鵬や北の湖などもその功績により、本人一代に限りの四股名を年寄名跡として認められてきた。白鵬も当然、一代年寄名跡が認められると多くの人が思ってきたが、2021年4月、「大相撲の継承発展を考える有識者会議」(委員長・山内昌之東大名誉教授)は八角理事長(元横綱・北勝海)に提言書を提出。そのなかに、一代年寄名跡について「一代年寄の名乗りを認める根拠が見いだせない」と、制度そのものに疑問を呈した。

これにより、白鵬の「一代年寄」の襲名が難しくなり、白鵬が引退後も協会に残るためには、105ある年寄名跡のいずれかを取得しなければならない事態になった(元横綱の場合、引退から5年以内に年寄株が取得できなければ廃業となる)。

年寄名跡に関しては、2014年に日本相撲協会が公益財団法人への移行に合わせて、協会管理とされ、全年寄が協会に名跡証書を提出し、借株および金銭授受は禁止された。しかし、その後も借株の年寄は存在しており、2018年11月には年寄・佐ノ山を襲名した里山が、「年寄名跡及び相撲部屋の新設・承継規程」第6条に基づく年寄名跡一時的襲名として借株で年寄名跡を襲名している。

今回、白鵬が年寄名跡を得るために、名門・宮城野部屋を継承することが有力視されている。というのも、師匠である宮城野親方が2022年8月に65歳になり定年を迎えるため、そのとき、部屋を継承するという流れ段取りだ。宮城野親方も白鵬の引退会見で、「後進の指導にあたってしっかりと協会のために頑張ってくれると思います。多くの力士を育て上げて皆様方に貢献できるように頑張っていく所存ですので、これからもよろしくお願いします」と話している。おそらく、白鵬が年寄名跡を取得して、宮城野部屋を継ぐものと推察される。

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