中小監査事務所の業界地図シリーズ。第3回目は中小監査事務所の中で売上上位に位置する清陽監査法人、赤坂有限責任監査法人、監査法人日本橋事務所の3法人を取り上げます。* 2021年8月末時点で確認できたデータに基づいています。

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7.清陽監査法人

(1)基本情報

*「業務及び財産の状況に関する説明書類(第10期)」による(*1)。以下同じ。

(2) 沿革

*「業務及び財産の状況に関する説明書類(第10期)」より引用

(3) 売上

* 千円単位(切捨)にて表記(以下、同)

2020年6月期の業務収入は8億5百万円となり、前期の7億69百万円と比べて35百万円の増収(+4.6%)となっています。

うち、監査業務は7億77百万円となり、前期7億42百万円に対して35百万円の増収(+4.7%)となっています。また非監査業務は28百万円となり、前期27百万円に対して0.4百万円の増収(+1.5%)となっています。

なお、業務収入に占める監査業務の割合は97%となっており(前期は96%)、中小監査事務所の平均値である85~90%(*2)に比べると監査業務の割合が高めと言えます。

(4) クライアント数

① 監査クライアント数

*「業務及び財産の状況に関する説明書類(第10期)」より引用

② 非監査クライアント数

*「業務及び財産の状況に関する説明書類(第10期)」より引用

(5) コメント

清陽監査法人は1975年11月に設立された公認会計士桜友共同事務所を母体とし、その後2011年に名称変更を行い、また2016年に九段監査法人と合併した経緯を持ちます。東京都港区に事務所を構え、他の従たる事務所は有していません。

母体となっている公認会計士桜友共同事務所は、東証マザーズに上場した際に粉飾決算を行っていた株式会社エフオーアイの監査人を務めていたことで知られています。

2020年6月期の業務収入は8億5百万円であり、中小監査事務所の中で上位に位置しています。監査クライアントとしては空気圧機器などの自動制御機器メーカーであるSMC、大手不動産デベロッパーの森ビルなどを抱えています。

提携先のBaker Tilly Internationalは、2020年度の国際会計事務所売上ランキングで10位にランクインし(売上高4,043.8百万ドル)(*3)、148以上の地域にメンバーファームを抱えるグローバルな会計事務所です。(*4)

なお直近の株式公開企業に対する監査契約の状況について、2019年及び2020年いずれも新規上場企業は担当していないようです。(*5)