中小監査事務所の業界地図シリーズ。最終回の第5回は、売上5億円台のMoore至誠監査法人、監査法人コスモス、清稜監査法人の3法人を取り上げます。※ 2021年8月末時点で確認できたデータに基づいています

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13.Moore至誠監査法人

(1)基本情報

* 「業務及び財産の状況に関する説明書類(第42期)」による。以下同じ。

(2) 沿革

* 「業務及び財産の状況に関する説明書類(第42期)」より引用

(3) 売上

* 千円単位にて表示(以下、数字は切捨)

2020年6月期の業務収入は5億92百万円となり、前期の1億69百万円と比べて4億22百万円の増収(+248.6%)となっていますが、2019年度は会計期間変更に伴う3カ月決算だったことが影響しています。

監査証明業務による収入は5億62百万円となり、前期の1億60百万円に対して4億2百万円の増収(+250.6%)となっています。また非監査証明業務による収入は29百万円となり、前期の9百万円に対して20百万円の増収(+213.9%)となっています。

Moore至誠監査法人の業務収入に占める監査業務の割合は95%となっており(前期は94%)、中小監査事務所の平均値である85~90%(*1)に比べると監査業務の割合がやや高めと言えます。

(4) クライアント数

① 監査クライアント数

* 「業務及び財産の状況に関する説明書類(第42期)」より引用

② 非監査クライアント数

非監査証明業務では33社をクライアントとして抱えていますが、詳細な内訳は開示されていません。なお業務の状況としては財務調査、株価算定および財務諸表調製といったサービスを提供しています。

(5) コメント

Moore至誠監査法人は1980年2月5日に設立された至誠監査法人を母体とし、2015年に清新監査法人と合併した後、2020年に現在の名称に変更した監査法人です。東京都千代田区に事務所を構えており、他の従たる事務所は有していません。

2020年6月期の業務収入は5億92百万円であり、売上高は6億円に迫る規模となっています。監査クライアントとしてはタコベル、キムカツなどの飲食店を展開する株式会社JFLAホールディングス、コンクリート製品メーカー大手の日本ヒューム株式会社などを有しています。

提携先のMoore Global Networkは、2020年度の国際会計事務所売上ランキングで12位にランクインしており(売上高3,137.4百万ドル)29,000人以上の構成員を抱え、113か国に547のオフィスを構えているグローバルな会計ネットワークです。(*2)

なお直近の株式公開企業に対する監査契約の状況について、2019年及び2020年いずれも新規上場企業は担当していないようです。(*3)