人生100年時代と呼ばれるようになって5年。
働き方改革と並走しながら、仕事以外の時間の有効活用に目が向けられています。
【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意第53回は「習い事」です。
習い事のポテンシャル
習い事、つまり教育市場は、その規模約2兆円以上とも言われる一大カテゴリーです。
少子高齢化によって、従来のターゲットである子ども向けの学習塾などが競争激化の一方、中高年やシニア向けの習い事では大きな可能性が広がっています。
博報堂生活総研の生活定点調査によると、男女差はほとんどなく、3割近い人が「社会人が気軽に学べる場がもっと増えるべきだと思う」と答えています。
統計を確認すると、調査開始の1998年から継続して減少傾向でした。しかし、2020年に一転大きく上昇しています。
ここには2つの理由が類推されます。
1つはコロナ禍の経験。テレワークへの移行による働き方、そしてライフスタイルが大きく変わりました。将来への不安が募った人は少なくないはずです。
もう1つの理由が労働時間の短縮と休日の増加です。
厚生労働省による就労条件総合調査(R3年)によると、直近5年間で総労働時間は右肩下がりを続け、反対に労働者1人あたりの休日日数が増加していることが明らかになっています。
習い事の種類
メジャーなものではざっと以下のような22個の習い事があります。
上記以外でも近年さまざまなテーマが習い事として注目されています。
例えば「金継ぎ」。
「金継ぎ暮らし」
400年前、安土桃山時代に茶の文化とともに発展した日本独自の伝統技法です。
漆と金を用いて傷を修復。1つとして同じものにならないという魅力を持ち、昨今の持続可能性(サスティナブル)にも符号することなどから、近年人気です。
もう1例は「Excel」。
ビジネス資料を作成する上で欠かせないMicrosoft Office。
メインアプリとしてWordやPowerPointなどある中、Excelが注目されている理由は「生産性向上」の可能性です。
マウスを用いずキーボードのショートカットを駆使することで作業時間の短縮を図ることができます。
金継ぎの「サスティナブル」、Excelの「生産性向上」の2例を見る限りでも、英会話などの王道のものとは別に、時代背景的な要請を受けて新たに浮上するテーマがあることを意識しておきたいところです。