日本の教育費の中身を見てみよう
教育は、憲法で「教育を受ける権利」「教育を受けさせる義務」を定めている通り、日本ではかなり重要なものとなっています。
毎年の国家予算にも必ず教育費は組まれます。

【引用元】「令和4年度一般会計歳出・歳入の構成(財務省)」より一部抜粋
「文教及び科学振興」というのは、小・中学の義務教育だけではありません。
高校生への就学支援、大学の運営費や私立の学校の助成金、科学技術の研究費もあります。
例年、だいたい同じ予算額と割合です。
「文教及び科学振興」の内訳は、次のようになっています。

【引用元】「文教・科学技術(参考資料)2022年4月8日」(財務省)
文教関係費というのが、いわゆる小学校や高校、大学などの教育費です。
これが4兆円超となります。
前回の記事でお伝えした社会保障関連費に比べると少ないですが、毎年変わらず5兆円超のお金が国から教育や研究に投じられています。
ただ、地方自治体は、もっと負担しています。

【引用元】「【資料5-2】教育投資参考資料集」(文部科学省)
これは10年ほど前のグラフですが、今もあまり変わりません。
つまり、地方が教育費の半分以上を担っているのです。
ここで東京都の予算を見てみましょう。

【引用元】令和4年度の教育予算(東京都教育委員会)
東京都の教育予算は1兆1771億円。
そのうちの半分以上が都内の学校向け予算です。
学校向けの教育費の約53%は、小・中学校に割り当てられます。
そして、学校向けの教育費の約80%が先生のお給料や通勤費といった給与関係費に充てられています。
「8割も先生方にあげているの?」と思うかもしれません。
実は、これでもお給料が十分ではないのです。
公立の小・中学校の先生方の多くは、ほぼ毎日遅くまで残業しています。
授業だけでなく、宿題やテストの採点、授業の準備、部活の顧問、教育相談、学年・学級通信、学校行事対応なども先生方の仕事です。
日中の時間だけでは間に合いません。
けれど、残業代は出ないのです。
先生方のお給料は、税金でまかなわれています。
「それぞれの家のお財布から少しずつ納められた税金を通じて、先生方にお給料を払っている」と言えます。
そう考えると、みんなは、安い費用で教育を受けられているのかもしれません。



