今や我々の生活に欠かせないITですが、いざ「ITとは?」と聞かれると、的確に答えられますか? そのITの基礎知識や活用事例、ICTやIoTについて解説します。
ITを簡単に説明すると、コンピューターとネットワークを利用した技術のことです。
今回は、IT初心者の方に役立つ基礎知識や活用事例を紹介します。
ITを理解することは、生活や仕事をする上でもかならず役に立つでしょう。
ITとは?
ITとは、「Information Technology(情報技術)」の略称です。
簡単に説明すると、コンピューターとその中で動くコンピュータプログラム(ソフトウェア)やネットワークを用いて、情報を入手・保存・伝達する技術のことを指します。
最近話題のIT関連用語も紹介
ITとともに用いられることが多い用語として、「ICT」や「IoT」があります。
ICTやIoTについて、またそれぞれの違いについて解説します。
ICT
ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称です。
ITを使ってどのように人々の暮らしを豊かにしていくかという活用方法を、ICTといいます。
身近な例では、SNSやメールでのコミュニケーションもICTに該当します。
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IoTは「Internet of Things」の略称で、モノのインターネットと訳されます。
パソコン、スマートフォン、タブレットなどの通信機器だけでなく、家電や自動車など、ありとあらゆるモノがインターネットを通してつながる仕組みや技術を指します。
モノがインターネットと接続されることによって、これまで埋もれていたデータをサーバー上で処理・変換・連携・分析するなどが可能になります。
IoT技術により手に入れたビックデータとAIを組み合わせることによって、更に高品質のサービスを生み出すことができるようになります。
ICTとIoTの違いは?
簡単に説明すると、ICTはインターネットを通して人と人をつなぐ技術のことで、IoTはあらゆるモノとモノをインターネットに繋ぐ技術や繋がっている状態のことです。
ICTでは、パソコンやスマートフォンがインターネットを通じてつながっていますが、IoTでは、家電や身の回りのデバイス、さらにそれらを作る工場の機器などもインターネットを通じてつながります。
またIoTが普及すると、モノを遠隔で操作や確認できるようにもなります。
ITの活用事例
現在はIT、そしてICTとIoTも様々な分野で活用されています。
医療・交通・農業・自動車分野の活用事例をそれぞれ紹介します。
1. 医療分野
医療分野でも、IoTやAIの活用は進められています。
医療分野のIT活用事例をいくつか紹介します。
- 問診
患者からの質問への回答から、自動でAIが診断をします。
医学に関する教科書、論文、ガイドライン、ネット上の情報など、膨大なデータを総合して最も当てはまる診断が導き出されるシステムです。
- 服薬エラーの防止
薬の過剰摂取や飲み忘れなどの服薬エラーを、システムで防止します。
利用者が飲み忘れや飲み過ぎなどをしてしまったときに、音声などで警告を出したり、担当看護師に警告をしたりする機能があります。
- 画像診断
画像データから患者の異常を発見します。
人間が行うとどうしても見落としなどが起きてしまいますが、ビックデータを活用したAIによる画像診断では、そうしたヒューマンエラーは起きません。
また、過去の膨大なデータを用いることで、医師が気づくことができないような小さな異常も発見できます。
2. 交通機関
公共交通機関では、「MaaS(Mobility as a Service)」が注目されています。
MaaSとは、ICTを活用することで鉄道やバス、タクシー、シェアサイクルなどの様々な移動サービスを統合して管理し、利用者に合わせてスケジュール管理から予約・支払いまでを一貫して行うサービスです。
MaaSの事例をいくつか紹介します。
- 「Whim」(フィンランド)
Whimは、フィンランド政府や自治体、交通事業者などの幅広い協力のもと2016年にフィンランドの首都ヘルシンキでリリースされました。
エリア内の交通サービスの予約・決済機能にとどまらず、月額制で様々な交通サービスが乗り放題となるプランを提供しています。
また2022年9月には、日本でもまずは事業者向けとしてサービスをスタートしています。
- 「Moovit」(イスラエル)
Moovitは、経路検索サービス・アプリです。
サービスを提供している企業「Moovit」は、経路検索サービスに加えて決済機能も提供しているため、併せて利用することで、経路検索から決済までを行うことができます。
Moovitの特徴の1つとして挙げられるのが、ローカル編集者の「Mooviters」の存在です。
交通事業者が提供している交通データに加えて、Moovitersが収集を進めたデータがプラスされることで、世界展開を加速しています。
3. 農業分野
農業分野では、「スマート農業」が注目されています。
スマート農業とは、ロボット技術やICTを活用して、超省力・高品質清算を実現する新たな産業で、農林水産省にも推奨されています。
現在の農業では、収穫や農薬散布の判断や作業を人間が行っています。
スマート農業を取り入れることで、そうした判断や作業が無人で、かつ正確に行うことができるので、生産性の向上が図れます。
スマート農業の例をいくつか紹介します。
- 収穫用ロボット
収穫用ロボットは、無人で正確な収穫を行うロボットです。
ロボットに搭載されているカメラで、実が収穫すべきかどうかを判断し、他の実を傷つけない収穫経路も見極めます。
収穫は蓄積したデータによって行われるので、成熟しているものだけを選別することも可能です。
- 農薬散布用ドローン
現在の農業では、農薬が入った重いタンクを背負い、シャワーの様に手作業で散布しています。
しかしドローンを用いれば、小回りがきくだけでなく、広大な敷地でも労力をかけることなく作業を行うことができます。
4. 自動車分野
自動車分野では、IoTが注目されています。
自動車分野のIT活用事例をいくつか紹介します。
- HELPNET
HELPNETは、カーナビやスマートフォンで利用することができる緊急通報サービスです。
HELPNETを搭載した自動車において、事故発生時にエアバッグが作動すると、自動的にオペレーションセンターへ通報されます。
事故で気絶してしまった場合も、GPSの正確な位置情報や車両情報などが、自動通話機能によって消防や警察の所轄窓口へダイレクトに接続されます。
- YouDrive
YouDriveは、スマホアプリと車載機器を連携して利用できるアイテムです。
アクセルやブレーキ操作などの運転特性を見直せるほか、安全運転診断もできるため、これまでの自分の運転スキルの改善点や成長の度合いを簡単に見て取れます。
地図上で苦手な地点がチェックできるので、慎重な運転を心がけやすくなるでしょう。
まとめ
あらためて、ITとはコンピューターやネットワークを利用して、情報を入手・保存・伝達する技術です。
ITとともによく使われる言葉として、ICT・IoTが挙げられます。
どちらもITを活用して生活を豊かにしていますが、ICTは人と人をつなげ、IoTはモノとモノをつなげるという違いがあります。
本記事を読んで、ITについて理解を深めていただけたら幸いです。
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