マル経融資は、飲食店が商工会議所や商工会の経営指導を受けることにより日本政策金融公庫から無担保・無保証人・低金利で資金調達ができる融資となっています。そこで今回はマル経融資について説明します。

小規模事業者が活用するべきマル経融資とは!?

都内で海鮮居酒屋を2店舗経営としているzさんは、以前に銀行担当者から「飲食店は現金商売のため運転資金を融資できない」と言われ、手元資金が少なく資金繰りに不安がある中で経営をしていました。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者が、日本政策金融公庫から経営改善に必要な資金を無担保・無保証人・低金利で利用できる制度です。

商工会議所や商工会の専門家からのアドバイスを受けながら事業計画書を作成できるので、通常の融資に比べ審査が通りやすいという特徴があります。

そのため、通常では融資を受けにくい飲食店の運転資金であっても融資が受けられるのです。

ただし、マル経融資は対象が小規模事業者となっており、飲食店の場合、常時使用する従業員の数は5人以下に限られます。

この5人以下は常時使用する従業員ですので、役員やアルバイトは原則含まれないので、2~3店舗までの飲食店であれば活用できます。

マル経融資は多店舗展開が進み従業員が増えると活用できなくなるので、早い段階の活用を検討しましょう。

<マル経融資の融資条件>

融資限度額:2,000万円

返済期間:運転資金7年以内、設備資金10年以内

利率:2022年10月3日時点では1.13%

担保・保証人:無担保、無保証人

▼日本政策金融公庫HPより

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kaizen_m.html

マル経融資を早期に活用しよう

その後zさんは、飲食店専門の税理士に相談し、マル経融資の活用方法について教えてもらいました。

商工会議所のマル経融資により運転資金の融資を受けられ、手元資金を厚くすることができ、資金繰りの不安を解消することができました。

マル経融資の申込みは、商工会議所や商工会で行い、商工会議所・商工会で審査された後、日本政策金融公庫に推薦されます。

通常の融資と同じように、日本政策金融公庫での審査がありますが、商工会議所や商工会の推薦がありますので、通常の融資よりも比較的スムーズなケースが多いです。

ただし、複数の機関で審査される分、通常の融資よりも融資実行までにかかる時間が長いケースが多いため、余裕を持ったスケジュールが必要になります。

また、マル経融資を申し込むためには商工会議所や商工会の経営指導を原則6カ月以上受けている必要があります。

そのため、融資を申込むまでに時間がかかり、すぐに融資を受けたい場合には向きません。

ただし、原則として6カ月以上とありますので、商工会議所や商工会によって、その扱いは多少異なる可能性があります。

東京商工会議所では会員でなくてもマル経融資を利用できるとされていますが、商工会議所や商工会によっては会員になることを求められるかもしれませんので注意が必要です。

資金繰り不安を解消するためにはマル経融資の検討から!

事業の拡大(多店舗展開)を進める前にマル経融資を活用して、資金繰りを改善しましょう。


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