新型コロナウィルスの影響が発生して3年目に入った現在、コロナ融資の返済が始まり飲食店の資金繰りを苦しめています。そこで今回はコロナ融資対策について説明します。

コロナ融資の現状は!?

都内で海鮮居酒屋を2店舗経営としているxさんは、2020年5月に運転資金として日本政策金融公庫からコロナ融資を受けており、最近になっていよいよ返済が始まりました。

ところがコロナの影響が強くなり売上が激減する中で、毎月の返済が厳しく資金繰りで悩んでいます。

2020年3月から始まった新型コロナウィルス感染症対策の融資商品(コロナ融資)を取り扱う政府系金融機関として、大きくは日本政策金融公庫、保証協会、商工中金の3つがあります。

コロナ融資の特徴としては、

1. 運転資金のとしての借入金期間が長く、かつ、元金の据置きもとれる

2. 利子補給制度がついている

など、政策的に好条件となっており、多くの飲食店が積極的に利用しています。

元金の据置期間は1年~2年が多いため、コロナ禍でも返済が始まっており、借入金額が多い分、毎月の返済が重く、多くの飲食店の資金繰りが厳しくなっています。

<日本政策金融公庫(国民生活事業)のコロナ融資の融資条件>

融資限度額:8000万円

返済期間:運転資金20年以内、設備資金20年以内

利率:2022年8/1時点では1.21%~ (融資後3年目まで利率の優遇あり)

担保:無担保

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html

コロナ融資の借換えをしよう

その後xさんは、飲食店専門の税理士に相談し、コロナ融資の借換えについて教えてもらいました。

日本政策金融公庫にコロナ融資を再度申し込み、既存のコロナ融資の借入金を元金の据置き付きで借換えをすることで当面の支払いを減らすことができ、資金繰りを安定させることができました。

コロナ融資による返済を軽減する方法としては、

1. 新規に追加でコロナ融資を借りる

2. 既存の借入金の返済条件の変更(リスケジュール)をする

3. 既存の借入金を借換えする

の3つがあります。

新規に追加でコロナ融資を受けることは第一に検討するべき方法です。

しかしながら、既にコロナ融資を受けている現状では、追加でコロナ融資を受けるのは業績がよくないと厳しいと言えるでしょう。

これに比べ、「2. 既存の借入金の返済条件の変更(リスケジュール)」をし、元金の返済を当面の間、0円または少ない金額にしてもらう方法は可能性が高い方法ではあります。

ただし、返済条件の変更(リスケジュール)をしてしまうと、与信情報に傷がつくため、今後、新規融資をしばらく受けられなくなる等のデメリットがあり、すぐにはお勧めしません。

そこで一番お勧めしたいのが、「3. 既存のコロナ融資の借入金を元金の据置き付きで借換えをする」ことです。

2022年4月に日本政策金融公庫のコロナ融資は返済期間が最大で15年から20年に延長されており、これを活用すれば、最大で20年の返済期間で、元金の据置期間を5年にすることが可能です。

この条件の場合、借入をしてから5年間は利息のみの支払いで、残り15年で元金の返済をするので毎月の支払いも軽くなります。

「2. 返済条件の変更(リスケジュール)」と同様の効果がありますが、あくまで借換えのため、2のように今後の新規融資がストップすることはありません。

また、追加融資ではないので金融機関としても応じやすく、成功する可能性も高いのでお勧めです。

ただし、保証協会のコロナ融資の借換えをする場合には、保証料の支払いが再度発生することになるので、注意が必要です。

コロナ融資の返済対策は借換えの活用から!

既存のコロナ融資の借入金を元金の据置き付きで借換えして、コロナ禍での返済を最小限に抑えましょう。


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