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資金調達の前に確認 クラウドファンディングは課税される!?

事業をはじめるためには、資金が必要不可欠である。一般的に資金調達には、出資、借入などが用いられるが、事業開始時の資金集めは非常に難しい。そんななか、これらよりも敷居が低く、注目を集めているのがクラウドファンディングだ。ただし、クラウドファンディングは、税制面でいろいろ留意したい点がある。出資や借入などで行う資金調達の場合、その取引自体に課税関係は生じないが、クラウドファンディングの場合には、その形態に応じて課税関係が生じるからだ。そこで今回は、クラウドファンディングの形態ごとの課税関係について紹介したい。

■投資型クラウドファンディングと税金の関係

投資型クラウドファンディングは、その名前の通り「投資」であり、出資、借入など、従来の出資方法に一番近い方法である。事業者は、各資金提供者から投資としての資金を受け取り、事業を遂行。そして、事業の結果利益が生じた場合に、所得税または法人税が事業主に対して課される。投資型の場合、利益の一部を資金提供者に対して支払うことになるが、この資金提供者への支払いは事業者において経費となるため、正確には事業における利益から資金提供者への支払いを控除した残額について課税されることになる。

■購入型クラウドファンディングは消費税に注意!

購入型クラウドファンディングは、投資型クラウドファンディングとは本質が異なる。投資型のように、利益の一部を還元されるのではなく、出資に対して商品やサービスが必ず還元されるからだ。つまり、購入型クラウドファンディングで得た資金は、単なる購入取引の前払としての性質ととらえられ、事業者は事業の結果得られた利益に対して、所得税または法人税が課されることとなる。

すなわち、購入型クラウドファンディングにおいて、注意すべきは消費税。資金提供者から受ける資金の提供は、商品やサービスの提供の対価、つまり「売上」にあたるため、消費税の対象として扱われるのだ。

■寄附型クラウドファンディングは贈与税がかかる?

寄附型クラウドファンディングの場合には、その寄附という行為の性質上、個人であるか法人であるかにより課税関係が異なる。以下において、そのパターンごとの課税関係について確認したい。

<資金提供者が個人の場合>
資金提供者が個人である場合、寄附という行為は経費には該当しないため、基本的には課税関係は生じない。所得税には寄附金控除という制度もあるが、控除が認められる寄附行為は限定されており、該当する可能性は低いと考えられる。

<資金提供者が法人の場合>
資金提供者が法人である場合には、所得計算上の経費となる。ただし、法人税法において寄附金には損金算入限度額が定められているため、限度額の範囲内に限り経費として計算されることとなる。

<事業者が法人の場合>
事業者が法人である場合には、受贈益として所得計算上の収益となり、利益が出ている場合に、法人税が課されることとなる。

<事業者が個人の場合>
事業者が個人である場合がもっとも複雑になり、資金提供者が法人であるか個人であるかにより課税関係が異なる。資金提供者が個人である場合には、資金提供者との個人間における金銭の授受であり、かつ、その対価がないため、贈与税の対象となる。そして、贈与税は受贈者課税であるため各資金提供者から受けた金銭の合計額が年間110万円を超える場合には、その超えた額について累進税率により贈与税が課される。

資金提供者が法人である場合には、法人から受けた寄附については贈与税の対象とはならず所得税の対象となる。具体的には一時所得に該当するため、50万円の特別控除が認められており、差額のさらに2分の1が課税対象となる。この課税対象金額を給与所得などの他の所得と合算し、累進税率により所得税が課される。

クラウドファンディングと一言にいっても、その形はさまざまである。その形によっては課税対象になるものも少なくないため、クラウドファンディングで資金調達する場合には、事前に確認しておく方が安心だ。

著者: KaikeiZine編集部

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