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正しく経費を使えていますか? 所得別に必要経費の税務を解説!

確定申告をする際、必要経費として計上できるものを計上しないと、せっかくの節税チャンスを、みすみす見逃してしまうことになる。むしろ、節税できていないというよりは「本来払わなくてよい税金を、わざわざ払うはめになる」というほうが正しいだろう。必要経費として認められるものを計上しなかったとしても、税務署は、指摘してくれない。そこで今回は、見落としがちな必要経費を所得区分別に紹介したい。

■不動産所得の必要経費

不動産にはさまざまな税金が課されるが、以下のものについては、不動産収入に対する必要経費として算入できる。

1.事業用(賃貸用)不動産にまつわる税金
・毎年の固定資産税
・不動産を購入した場合の登記費用、登録免許税
・不動産取得税(忘れたころに課税通知がされるので、見落としやすい)

2.相続により取得した賃貸用不動産の場合、相続登記のために支払った登録免許税や登記費用を、その支払った年分の必要経費にすることができる。

3.その他…損害保険料、修繕積立金、ローンの利息部分

■事業所得の必要経費

事業所得については、専従者給与と個人と事業にまたがる費用を上手く計上すること、各種税金を漏れなく計上することが、無駄な税金の支払いを防ぐ対策となる。

1.専従者給与
配偶者をはじめとする親族に対する給与。事前に税務署への届出が必要であるが、届け出通り支給することで納税者本人との所得分散が図れ、全体としての税金が抑えられるメリットがある。

事業規模がそれほど大きくない方で配偶者を専従者とする場合、社会保険や住民税を考慮すると、給与を103万円までに抑えることでメリットが確実となる。

2.個人と事業にまたがる経費
たとえばマイカーにかかる経費(税金・減価償却費)、接待飲食費、自宅を事務所としている場合の光熱費関係など、個人と事業にまたがる経費については、事業割合を合理的に見積もることで経費に算入できる。

いくらを事業割合として見積もるかは、常識の範囲内で納税者自身が決めればよい。過去の税務調査事例からすると7割程度までなら認容されるケースが多い。個人と事業を、しっかり分けているという事実が大切である。

3.経費にできる税金
個人にも事業税や消費税が課されることが多いが、これを必要経費として算入するのを見落としているケースも多い。特に消費税は金額的にも大きいため、忘れず必要経費に算入してほしい。

■譲渡所得の必要経費

不動産を譲渡した場合、譲渡収入から(取得費+譲渡費用)をマイナスしたいわゆる利益額に20.315%(住民税も含む)の税金が課せられる。この取得費についてのポイントを概観したい。

取得費とは原価であり、原則的には土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した金額のことである。しかし、その不動産が先祖伝来のものであるとか、 買い入れた時期が古いといった理由で取得費がわからない場合には、取得費の額を売った金額の5%相当額とすることができる。

ただし、購入した年度が分かっていて、契約書をなくしてしまった場合には、譲渡収入の5%を取得費にすることはできない。この場合には、取得費を推測できるような資料情報がないかを検討し、取得費を見積もる方法をとる。

例えば、購入と同時に設定された抵当権の設定金額、当時の不動産販売の広告チラシ、購入日の通帳の出金履歴、建物建築の工事見積書、購入当時の不動産相場等。これらを総合的に勘案し、取得費を計算する方法も可能だ。ただし、どのようにして取得費を算出したか、その経緯や計算式を書類として税務署に提示する必要がある。

記入漏れが理由で、必要以上の税金を支払っている方は思いのほか多い。みなさんもこれを機に、正しく確定申告できているか見直してみてはいかがだろうか。

著者: KaikeiZine編集部

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