雑所得は必ず確定申告が必要?

雑所得があったとしても、必ず確定申告が必要というわけではありません。

ここでは、雑所得があっても確定申告をしなくても良いケースについて説明していきます。

確定申告が必要ないケース

雑所得がある場合でも、以下のようなケースでは確定申告を行う必要はありません。

  1. 公的年金等の収入合計が400万円以下で、かつ公的年金等の全部が源泉徴収の対象であるケース
  2. 公的年金以外の所得金額が20万円以下であるケース

また、会社員の方については、給与所得以外の所得が20万円以下の場合は確定申告が不要であるため、給与所得と雑所得以外に収入がない方で雑所得が20万円以下のケースでは、確定申告を行わずとも問題ありません。

なお、定期積金の給付補填金、抵当証券の利息など、いわゆる金融類似商品の収益はそれが支払われる際に一律20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税率で源泉徴収が行われており、源泉分離課税が適用されるため確定申告を行えません。

したがって、これらについては確定申告を行わずに済みます。

確定申告が必要なケース

上記以外のケースでは、雑所得に関する確定申告が必要です。

雑所得に関する確定申告は、その他の確定申告と同様に行うことができます。

雑所得について確定申告を行う具体的な方法

最後に、雑所得について確定申告を行う具体的な方法を説明します。

(1)公的年金等の雑所得を確定申告する

公的年金等の雑所得の金額は、収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算されます。

公的年金等については「雑所得」として課税の対象となり、一定金額以上を受給するときには所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されています。

そのため、確定申告を行って、税金の過不足を精算しなければなりません。

なお、すでに説明したように、その年において公的年金等に関する雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に関する雑所得以外の所得金額が20万円以下であるケースにおいては、確定申告の必要はありません。

(2)個人年金の雑所得を確定申告する

保険料の負担者と年金の受取人が同一人の場合、公的年金等以外の雑所得として所得税が課税されます。

なお、保険料の負担者と年金の受取人が異なる場合、保険料負担者から年金の受取人に対して、年金を受け取る権利が贈与されたものとみなされます。

その結果、給付事由発生時点で贈与税が課税されます。

(3)副業による雑所得を確定申告する

副業による雑所得は、以下の計算式で雑所得の金額を計算します。

総収入金額 - 必要経費 = 業務に係る雑所得

この計算結果を使って、副業で年間20万円を超える業務に係る雑所得がある場合には、確定申告が必要です。

まとめ

10種類の所得のなかでも様々な所得が含まれる雑所得は、何が雑所得に該当し何が該当しないのかを適切に判断できるようになることが大切です。

雑所得がある場合でも、必ず確定申告を行わなければならないということはありません。

給与所得と雑所得以外の所得がないケースで、雑所得が20万円以下のケースでは確定申告を行う必要はありません。

また、雑所得に該当する公的年金等の収入のみがある方については、公的年金等の収入が400万円以下であるケースでも、確定申告を行う必要はありません。

雑所得に該当する副業収入が20万円を超えた場合には、確定申告を行わなければならないなど、しっかりとケースに応じて確定申告の必要・不必要を判断できるようになっておくことが大切です。


取材記事のお問い合わせはこちらから

◆最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。
 
◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします。
メルマガを購読する