家屋で固定資産税が高くなる設備12選

上で説明したように、家屋の評価額の要素の一つとして「再建築費評点数」がありますが、この評点数は、家屋の主体構造・屋根・外壁・内壁・床・天井に使用されている建築材料、キッチン・洗面化粧台・ユニットバス・トイレなどの建築設備などを実地調査や図面といった建築関係図書によって把握され、それに基づいて評価点が算出されます。

家屋の所有者が所有し、家屋に取り付けられて構造上一体となり、家屋の効用を高めるものは「建設設備」と呼ばれ、家屋に含めて評価されます。

つまり、固定資産税の課税対象となる建設設備が取り付けられている家屋は、固定資産税がその分だけ高くなります。

すべての建築設備が、固定資産税の課税対象となるわけではありません。

建築設備として評価に含めるか否かは以下の3つのポイントで判断します。

  1. 家屋の所有者が所有しているものであるか否か
  2. 当該家屋と構造上一体となっているか否か
  3. 家屋の効用を高めるものか否か

ここでは、固定資産税額の課税対象となり、固定資産税が高くなる(評価点が高くなる)代表的な設備について解説します。

なお、以下の評価点は、「木造家屋再建築費評点基準表」に基づくものです。

ソーラーパネル

建材型ソーラーパネルについては、評価点が23,930となっています。

ソーラーパネルを設置しないケースと比べて23,930も高くなるので、固定資産税額も高額になります。

外壁のタイル

外装タイルを設置した場合、11,890の評価点が加算されます。

石材系仕上の内壁

エコカラットのような、調湿機能があって嫌な臭いを吸収する石材系の内装壁材を設置している場合にも、固定資産税額は高くなります。

石材系の内装仕上げは特・上・中・並に区分されており、それぞれの評価点が114,840、79,790、55,950、40,630となっています。

床暖房

床暖房設備の評価点は14,260と定められています。

施工の程度によって、補正値(1.2〜0.8)を乗じて実際の評点は計算されるので注意してください。

ビルトインエアコン

ビルトインエアコンとは、主としてビルなどの天井部分に設置されているエアコンのことを言います。

ビルトインエアコン(空調設備)の評価点は8,430となっています。

ビルトイン方式ではない通常のエアコンの場合であれば、もちろん評価点は加算されません。

ホームエレベーター

ホームエレベーターの標準評点数は1,788,000となっています。

他の設備と比べると圧倒的に高い評価点です。そのため家屋に設置すると、固定資産税額も高めになります。

床の間

和室でよく見る、周囲より一段高くなっていて掛け軸をかけたり置物を置いたりするスペースの床の間は、特・上・中・並に区分され、それぞれ377,990、164,600、78,190、34,380と定められています。

給湯器

給湯器は、貯湯式のものについては303,100、それ以外のものについては223,000と定められています。

トイレ

トイレは家屋に欠かせない設備ですが、洋式(水洗式)が61,900となっています。

それに加えて、小便器を設置した場合は水洗式では37,900、非水洗式では9,800と定められています。

お風呂

お風呂については細かく区分が定められており、浴槽1つにつき314,120となります。

ただし、浴槽は上と並に分かれており、並の場合には49,520となっています。

一方ユニットバスの場合は379,850、ハーフユニットバスの場合は248,090、ユニットシャワーの場合は185,310となっています。

キッチン

キッチンのなかでも、システムキッチンは297,800と高い評価点となります。

ミニシステムキッチンであれば108,000となるので、評価点が倍以上違うことがわかります。

呼び鈴

呼び鈴は、46,810となっています。

マンションで固定資産税が高くなる設備3選

家屋と同様に、マンションについても固定資産税が高くなる建設設備があります。

ここでは、マンションにおいて固定資産税が高くなる代表的な建設設備について解説していきます。

地震対策(免震装置)

免震装置が設置されたマンションは、免震装置一基ごとに3,430,300が加算されています。

エレベーター(特定の機能を持つもの)

通常のエレベーターは5,646,950ですが、高層マンションなどに設置されることの多い高速特性型エレベーターは、一基あたり29,945,960と高い評価点となるので注意してください。

スライディングウォール

スライディングウォールとは、可動式の間仕切りのことを言います。

スライディングウォールの評価点数は1㎡当たりの面積で計算され、1㎡あたり59,360となっています。

サイズが大きくなればなるほど、その分だけ加算されることになります。

まとめ

固定資産税は、課税標準額に一定税率をかけて計算します。

この課税標準額を算出するうえでは、「再建築費評点数」が重要です。この点数が高くなればなるほど、固定資産税も高くなります。

この点数は、特定の設備を設置した際に高くなるので注意してください。

上記で説明した設備については、固定資産税を計算する上で、簡単に言えばぜいたく品として高い評価点がつきます。


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