必要書類を揃えて作成した確定申告書は、税務署へ郵送で提出ができます。また、確定申告書は信書に該当するので、「郵便物(第一種郵便物)」か「信書便物」での送付が必要です。それらについて詳しく解説します。

この記事の目次

郵送で確定申告を行う方法

確定申告を郵送で行うための手順は次のとおりです。

1. 納税地の確認を行う

納税地は、所轄税務署となります。

そのため、自身の所轄税務署をまずは調べなければなりません。

所轄税務署は、個人事業主の方やフリーランスの方は開業届を提出したところが所轄税務署となり、サラリーマンの方は、ご自宅の最寄り駅が所轄税務署となります。

2. 送付用の封筒を用意

確定申告書を郵送する際に利用する封筒は、どのサイズでも問題ありません。

確定申告書は折り曲げても問題ない書類ではあるものの、角2型であればA4サイズの書類がぴったり入るのでおすすめです。

3. 封筒に宛名を記載

封筒には宛名を記載します。

封筒の書き方は一般的な手紙を送付する場合と変わりません。

〇〇税務署御中とするのが一般的です。

封筒の表面に所得税確定申告書在中と記載すれば、確定申告であることが税務署職員にもわかり安心です。

4. 確定申告書の控えと返送用の封筒を同封

確定申告書の控えに収受日付印の押印が必要であれば、確定申告書の郵送の際には切手を貼った返送用の封筒を同封する必要があります。

5. 書類を郵送

すべての書類が揃ったら、実際に書類を郵送します。

書類を郵送する際には、信書扱いで送らなければなりません。

確定申告書を郵送する場合の必要書類

確定申告書を郵送する場合の必要書類は、申告内容に応じて異なります。

以下では、確定申告の際に必要となる代表的な必要書類について説明していきます。

なお、従来は確定申告書提出の際に提出が求められていた書類でも、税制改正によって提出が不要となったものがあります。

それらの書類については、提出不要であることを説明します。

1. 本人確認書類の写し

税務署等に申告書を提出する都度、マイナンバーの記載及び本人確認書類の提示又は写しの添付が必要です。

所得税法によって、税務署等に提出する申告書には、マイナンバー(個人番号)を記載することが義務付けられています。

そして、なりすまし防止として、同時に本人確認書類の確認が必要となることから、本人確認書類の写しが必要となります。

本人確認書類の写しとしては、運転免許証、公的医療保険の被保険者証、パスポート、身体障害者手帳、在留カードなどのコピーを利用することが可能です。

2. 青色申告決算書又は収支内訳書

個人事業主やフリーランスの方などのうち、青色申告を行っている方は青色申告決算書、白色申告を行っている方は収支内訳書の提出が必要となります。

3. 給与所得の源泉徴収票

従来までは、正社員、派遣社員、パート・アルバイトの方については、給与所得の源泉徴収票の提出が必要でした。

しかし、2019年4月1日以後に提出する確定申告書については、源泉徴収票の添付が不要となっています。

4. 公的年金等の源泉徴収票

給与所得の源泉徴収票と同様に、公的年金等の源泉徴収票についても2019年4月1日以後に提出する確定申告書については、源泉徴収票の添付が不要となっています

5. 配当金の支払通知書

配当金の支払通知書についても、2019年の税制改正によって添付が不要となっています。

6. 医療費控除の明細書

医療費控除を受ける場合には、医療費控除の明細書を所得税の確定申告書に添付して所轄税務署に提出しなければなりません。

その際、医療費控除の明細書又は医療保険者等が発行した医療費通知を、確定申告書の際に添付する必要があるので注意してください。

なお、以下で説明するセルフメディケーション税制を適用する場合には、選択適用となるため、通常の医療費控除の適用はできません。

7. セルフメディケーション税制の明細書

セルフメディケーション税制を利用する場合、セルフメディケーション税制の明細書の添付が必要です。

セルフメディケーション税制対象商品について世帯での年間購入額が12,000円以上である場合、セルフメディケーション税制が利用できます。

予防接種や健康診断の受診など健康のための一定の取組みを行い、その領収書又は結果通知表をセルフメディケーション税制の明細書に添付してください。

8. 社会保険料控除証明書

社会保険料控除とは、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合に、その支払った金額について所得控除を受けられる制度のことを言います。

社会保険料控除を受けるためには、確定申告書の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に、社会保険料控除証明書の添付が必要です。

なお、給与所得者が、既に年末調整の際に給与所得から社会保険料等の控除を受けている場合は不要となります。

9. 小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除とは、小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合に、その支払った金額について所得控除を受けられる制度のことを言います。

小規模企業共済等掛金控除を受ける場合、支払った掛金額の証明書の提出が必要です。

小規模企業共済等掛金として支払った掛金の証明書または、電磁的記録印刷書面を確定申告書に添付しなければなりません。

10. 生命保険料控除証明書・地震保険料控除

生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った場合、また、特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料または掛金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けられます。

生命保険料控除証明書・地震保険料控除を受ける場合、支払った額などの証明書を確定申告の際に添付しなければなりません。