源泉徴収税額はどのように計算するの?

源泉徴収をする場合、源泉徴収税額はどのように計算すればいいのでしょうか?

源泉徴収税額の計算の仕方について、解説していきます。

源泉徴収が必要な報酬・料金など

源泉徴収が必要な報酬・料金などとしては、以下のようなものがあります。

  1. 給与
    従業員やアルバイト、パートタイマーなどに支払う給与が該当します。給与とは、雇用契約に基づく対価として支払われる報酬のことで、所得税と住民税が源泉徴収の対象となります。
  2. 賞与
    従業員に支払う賞与が該当します。賞与は給与とは別に支払われるもので、源泉徴収の対象となる所得税は一定額までが非課税枠となりますが、超過分については源泉徴収の対象となります。
  3. 退職金
    従業員に支払う退職金が該当します。退職金は従業員が退職した際に支払われるもので、やはり源泉徴収の対象となる所得税は一定額までが非課税枠となりますが、超過分については源泉徴収の対象となります。
  4. 業務委託料
    業務委託契約に基づいて支払う報酬が、該当します。業務委託契約とは、委託者が委託先に対して一定の業務を発注し、その対価として支払われるもので、源泉徴収の対象となる所得税は支払額の全額が対象となります。

給与・賞与の源泉徴収税額の計算

毎月・毎日の給料や賞与などから源泉徴収をする、所得税及び復興特別所得税の額は、国税庁が公表している「給与所得の源泉徴収税額表(月額表及び日額表)」もしくは、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用して求めることが可能です。

給与所得の源泉徴収税額表(月額表・令和4年分) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2021/data/01-07.pdf
給与所得の源泉徴収税額表(日額表・令和4年分) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2021/data/08-14.pdf
賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和4年分) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2021/data/15-16.pdf

退職所得の源泉徴収税額の計算方法

退職金は、原則として退職金を支払う際に所得税について源泉徴収を行う必要があります。

退職所得の金額は、次のように計算されます。

  • (源泉徴収前の収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2 = 課税退職所得の金額
  •  退職所得税 = 課税退職所得の金額 × 税率

退職所得控除額とは、勤続年数に応じて退職金額から差し引くことができるものです。

退職所得控除は、以下のように計算します。

勤続年数20年以下 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
勤続年数20年超 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)

(参照元:No.2732 退職手当等に対する源泉徴収|国税庁

退職所得は分離課税となっています。

分離課税であるため、他の所得とは合算しません。

退職金だけを分離して税金の計算を行うのが原則です。

退職所得に対する分離課税の所得税率は、以下の表のようになります。

(引用元:別紙 退職所得の源泉徴収税額の速算表|国税庁

報酬・料金等の源泉徴収税額の計算方法

原稿料や講演料、技芸・スポーツ・知識等の教授・指導料、公認会計士・税理士・弁護士業務などへの報酬、外交員報酬、芸能人などへの出演料、ホステスやコンパニオンへの報酬などの支払者は、支払いの際に一定の税率を乗じて、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。

税率については、以下のように細かく規定されています。

(引用元:居住者に対して支払う報酬・料金等|国税庁

まとめ

給与・賞与・退職金・報酬・料金等の支払いをする場合、源泉徴収税として、事前に所得税や住民税などを差し引いて(=源泉徴収して)から支払いを行います。

従業員を雇用している個人事業主については、原則として必ず源泉徴収をしなければなりません。

一方、個人企業として事業を展開している個人事業主は、原則として源泉徴収をする必要はありません。

源泉徴収税の計算は、国税庁が公表している速算表を利用することで、素早く簡単に計算することができるので、上手く活用してください。


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