公認会計士試験が難しいと言われる理由
ここからは、公認会計士試験がなぜ難しいと言われるのか、その理由について解説していきます。
試験範囲の広さ
公認会計士試験を難しくしている理由の一つが、試験範囲の広さです。
公認会計士試験の突破を目指すのであれば、簿記の基本を理解することが必須です。
簿記の基本が把握できないと、努力が報われず、困難を経験することになります。
簿記の仕組みははじめは複雑に見えるかもしれませんが、統計学や経済学などと比べると、基本的にプラス・マイナスで計算ができるのでかなりシンプルです。
最低限の暗記と十分な練習を通じて、簿記の仕組みを習得しやすくなります。
公認会計士試験には、短答式試験4科目と論文式試験5科目があります。
特に、短答式試験の財務会計論は、計算部分と理論部分のそれぞれを異なるテキストで学ぶのが一般的です。
全科目を通じて使う教材(テキスト、問題集、答練など)を集めれば、かなりのボリュームがあり、両手で抱えるのが難しいくらいです。
試験科目は、会計を中心に、監査、法律、税金、経営(ファイナンスを含む)と多岐にわたります。
そのため、公認会計士試験の難しさは学習範囲の広さにあると考えられます。
試験内容の専門性の高さ
試験範囲が広く内容が複雑であるため、公認会計士試験は難易度が高いとされています。
財務会計論や管理会計論のような科目では、計算方法だけでなく、背後にある仕組みや意味を深く理解することが求められます。
企業法のような科目では、特有の法律用語を把握し、条文や立法趣旨、要件、効果などの全体像を理解する必要があります。
監査論では、専門用語が多く、普段の生活で触れる機会が少ないため、分かりやすく理解することが重要です。
総じて、公認会計士試験は各科目が複雑で量も多いことが、高い難易度の一因となっています。
公認会計士試験の高い難易度は、試験内容そのものが非常に複雑であることに起因します。試験形式には、短答式試験と論文式試験の2つがあり、受験者によって得意・不得意が分かれる形式が採用されています。
また、簿記の基本から法律関連の問題まで、多岐にわたる内容が出題されます。
暗記問題、計算問題、記述問題といったさまざまな形式に対応することが求められるため、非常に挑戦的な試験であると言えます。
試験における問題量の多さ
学習範囲が広いことから、公認会計士試験のために覚えるべき事項も多くなるでしょう。
公認会計士試験で必要な暗記は単なる文字情報の暗記ではなく、問題文から論点の意味を理解したうえで、説明できるように暗記しなければなりません。
単純な条文暗記のようなものはほとんど必要ありません。
意味のある情報を試験に対応する形で引き出せるようにすれば、暗記の負担を軽減できるでしょう。
短答式試験の企業法や論文式試験の経営学などでは時間が余る傾向があり、見直し時間を十分に確保できます。
一方で、管理会計論(短答・論文両方)や租税法(論文式試験)などでは、時間内に全ての問題を解くことがほぼ不可能な量となっています。
このように、科目によっては問題量が多く、解答時間が足りなくなることがあります。
しかし、解答時間の不足感は多くの合格者に共通しています。
また、論文式試験では偏差値を基に合否が判断される相対試験のため、問題量の多さが合格可能性を下げるわけではありません。
全ての問題を解く必要はなく、むしろ問題の取捨選択が重要となります。
反復練習が必要
公認会計士試験では、効率的な解答スピードが求められます。
学習範囲の広さや問題量の多さからもわかるように、限られた時間内で問題を解く能力が重要です。
解答スピードを向上させるためには、繰り返し練習することが必要です。
また、解答スピードを上げるためには、問題の理解だけでなく、適切な解答方法や解答の書き方も重要です。
練習問題を解いていく中で、自分の弱点や解答スピードが遅い箇所を見つけ出し、その部分を改善する努力が求められます。
また、試験対策として、時間を計って問題を解く練習も行うことで、試験本番における時間管理が身につくでしょう。
公認会計士試験を短期間で突破するためのポイント
公認会計士試験は難易度が高い試験ですが、短期間(1.5年〜2年)で合格を目指すのが一般的な試験です。
時間をかけて合格を目指すよりも、短期間で合格を目指すのが公認会計士試験であると認識しなければなりません。
漫然と勉強を続けるよりも、短期間集中した方が合格できる試験なのです。
以下では、公認会計士試験に短期間で合格するためのポイントを解説していきます。
専門学校を活用しよう
公認会計士試験を短期間で突破するためには、効率的な勉強が欠かせません。
最も効率的に勉強するためには良質な教材が必要となります。
市販されている教材だけで公認会計士試験に合格するのは、とても難しいのが現実です。
そのため、専門学校(公認会計士試験受験予備校)を活用するのがおすすめです。
市販の教材だけで公認会計士試験に合格することが難しいのは、十分な演習量(アウトプット)が確保できないからです。
公認会計士試験において勉強することになる会計基準は、毎年のように変更されています。
したがって、変更された箇所についても勉強しなければなりませんが、市販の教材を使っていては、その変更が反映されていません。
最新の会計基準について学習するためにも、専門学校を活用するのが効果的なのです。
十分なインプット時間を確保しよう
公認会計士試験は、膨大な量の知識をインプットする必要があります。
短答式試験にしても論文式試験にしても、インプットがなければ解答できません。
公認会計士の試験は、あやふやに身に着けた知識で合格できるものではありません。
公認会計士試験を突破するためには、事前の学習によって身につけた知識を、試験において即座にアウトプットできるかが重要です。
アウトプットができる状態まで知識を落とし込むために、反復して学習することがポイントです。
勉強法としては、知識を覚えて1回目は翌日に復習を行います。
次の2回目は1週間程度、3回目は1カ月程度の間隔をあけるようにしてみましょう。
3回以上繰り返し、繰り返す際にも、徐々に間隔をあけながら反復して知識を定着させるのがおすすめです。
何度も繰り返し学習して知識を定着させることで、試験本番でも簡単にアウトプットできる状態となるように練習する意識が必要となります。
具体的なインプットのプロセスは以下の通りです。
・1回目
全体を把握し、理解できないところを発見し解消する。
この段階では、覚える必要はありません。
・2回目
1回目で理解できなかった部分を確認し、問題の出来具合を判別する。
ここで「答えを見ても理解できない」部分については、インプット教材をしっかりチェックします。
・3回目
演習問題を真面目に解いて、知識の定着を図ります。
学習初期には、1科目に集中して学習することが効果的です。
インプットの目的は、適切に演習を行えるようになることで、最小限の労力で達成すべきです。
実力を伸ばすプロセスは、上で説明した演習(アウトプット)にあり、インプットに必要以上の労力をかけるべきではありません。
理論問題よりも計算問題の対策をしよう
公認会計士試験では、計算問題が解けなければ合格はありえません。
計算問題があるのは、会計系の科目(財務会計・管理会計)と租税法です。
短答式試験にせよ論文式試験にせよ、理論問題の比重よりも計算問題の比重の方が大きくなっています。
その意味で、計算問題で得点できなければそもそも合格はありえないのです。
計算問題は、早い時期から反復して練習しなければ得点できるようになりません。
よく出題される論点に絞って、確実に計算できるように準備しておく必要があります。
計算ができるようになったあとで、理論的な裏付けを理解するように勉強することができるようになると、計算問題と理論問題の相乗効果で両方を解く実力が上がっていきます。
まとめ
公認会計士試験の難しさは、学習範囲の広さ、暗記すべき量の多さ、問題量の多さ、そして解答スピードの向上が求められることにあります。
これらの要素を克服するためには、計画的な学習、効率的な練習、そして適切な解答方法の習得が必要です。
継続的に努力を続けることで、公認会計士試験に合格することが可能です。
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