公認会計士試験の過去問はどこにある?
公認会計士試験は、短答式試験が年2回、論文式試験が年1回開催されています。
過去問については、公式サイトと資格試験予備校で手に入れることが可能です。
以下では、過去問の入手方法について解説していきます。
公認会計士試験の公式サイト
公認会計士試験短答式試験の試験問題及び答案用紙は、公認会計士試験の公式サイト上で公開されています。
ただし、試験問題と解答用紙が公表されているだけで解説等はありません。
また、過年度の試験問題及び答案用紙については、公式サイト上から特定の期間が過ぎると削除されてしまうので注意してください。
そのため、公認会計士試験の公式サイトで公開されている過去問よりも、以下で説明する公認会計士受験予備校が公開・販売している過去問を活用するのが一般的です。
公認会計士試験受験予備校の書籍
公認会計士試験受験予備校では、公認会計士試験後、速報で公認会計士試験の解答冊子の申し込みを受け付けています。
そのため、公認会計士試験直後であれば、その冊子の申し込みをすることで解答・解説つきの過去問を手に入れることが可能です。
ただし、あくまでも速報となるので、必ずしも正しい解答・解説が掲載されているとは限りませんし、前年度の過去問を手に入れることができません。
その場合は、一般向けに市販されている公認会計士試験の過去問を活用してください。
この過去問であれば、各年度における公認会計士試験の過去問を入手できますし、解答・解説も掲載されています。
【内容別】過去問活用方法
以下では、過去問の活用方法を内容別に紹介していきます。
短答式試験の試験科目(財務会計論・管理会計論・監査論・企業法)
短答式試験の合格者は、例年、答案提出者数の約20%に過ぎません。
その一因として、広範囲な試験範囲が挙げられます。
短答式試験では、この幅広い範囲から網羅的に出題されるため、全ての科目で頻出論点の弱点を持たないことが肝心です。
過去問を解いて弱点が明確になった場合は、その論点を優先的に復習し克服していくようにしましょう。
短答式試験は、論文式試験と比べ、知識が定着しているかが試される試験です。
知識の定着には繰り返しが最も効果的なので、過去問題を何度も解いていくことが重要です。
短答式試験では「1科目ごとに、満点の40%に達しない者、また原則として答案提出者の下位33%に該当する得点比率を満たさない者は、不合格」とされるため、弱点を持たないよう、過去問を活用して重要論点をきちんと理解してください。
さらに、短答式試験は問題数が多く、時間制限が厳格なのが特徴です。
特に管理会計論ではその傾向が顕著です。
本試験問題には、意図的にスキップすべき高難度の問題が出題されるため、そのような「問題を見極める力」を養うために過去問を利用しましょう。
全体的なポイントは以下の3つです。
- 各科目の難易度(内容・時間制約)の傾向を把握すること
- 各科目の頻出論点を理解すること
- 出題形式(問い方)に慣れること
なお、科目別のアドバイスは以下の通りです。
- 財務会計論
計算問題は繰り返し解き、理論問題は可能な限り計算と関連付けて理解する。
さらに、覚えるべき事項はしっかりと暗記する
- 管理会計論
計算問題は反復練習し、理論問題は原価計算分野を計算と関連付けて覚え、管理会計分野では理解を重視する。
また、時間制限への対策として、取り組組むべき問題とスキップする問題を判断する能力を養う
- 監査論
頻出分野の暗記事項を単純に覚えるのではなく、体系的に理解して定着させる
- 企業法
頻出分野の暗記を効率化するために、表などの工夫を行う
短答式試験の成功には、広範な試験範囲からの問題に対応できるだけでなく、時間制限の中で効率的に問題に取り組む能力も求められます。
過去問を解くことで、各科目の特性や出題傾向を把握し、試験当日に焦らず適切な対応ができるように準備しましょう。
科目別のアプローチやポイントを押さえることで、短答式試験での合格率向上に繋がります。
論文式試験の試験科目(会計学・監査論・租税法・企業法・選択科目)
公認会計士試験の論文式試験は、計算科目(会計学・租税法)と理論科目(監査論・企業法・選択科目)に分けることができます。
計算科目学習のコツ
(1) 税法に注意を払い、法人税、所得税、消費税の計算を確実に理解しておくことが重要。
(2) 財務会計では、典型的な問題に対して確実に得点できるように準備をする。
(3) 管理会計では、基本問題で得点を確実に獲得し、問題を解く戦略を重視する。
(4) 計算科目全般で、過去問を利用して繰り返しシミュレーションを行い、部分点を確実に取れる問題を選ぶ。
理論科目学習のコツ
(1) 論述試験では、ロジックや文章構成、表現方法を研究し、説得力のある答案を書く。
(2) 各トピックの基本概念を把握し、関連する事例や状況を学び、柔軟な思考力を養う。
(3) 過去問や模擬試験を活用して試験に慣れ、適切な回答方法や時間配分を習得する。
(4) 理論科目でも部分点を獲得できる問題に焦点を当て、得点を最大化する。
計算科目と理論科目のバランスを保ち、効率的に学習を進めることが重要です。
自分の弱点を把握し、克服するための努力を惜しまないことが合格への鍵となります。
過去問や模擬試験を繰り返し解くことで、試験対策が整い、試験本番に自信を持って臨めるでしょう。
最後に、試験勉強の過程で得た知識やスキルは、将来のキャリアにおいても役立つものですので、継続的な学びを大切にしましょう。
まとめ
公認会計士になるためには、約10%の合格率を誇る厳しい試験を克服する必要があります。
公認会計士試験の膨大な学習量に対処するには、過去の試験問題の活用が欠かせません。
過去問を使うことで、実際の試験の雰囲気に慣れるだけでなく、どの程度のスキル向上が必要かという目標を把握し、また、弱点となる論点を特定するのに最適です。
短答式試験対策として、過去問を反復して解くことで知識を定着させ、各科目の苦手な論点を明確にすることが重要です。
論文式試験対策では、繰り返しの学習よりも模範解答を分析し、解答方法や論理的な流れを把握するために過去問を利用することが効果的です。
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