特別催告状から差し押さえまでの流れ
前述で解説したとおり、財産の差し押さえが行われるまでには段階があります。
本章では、特別催告状が届いてから差し押さえまでの流れをより具体的に解説しています。
封書が自宅に届く
国民年金保険料を滞納した場合、日本年金機構から以下の順で書類が届きます。
- 催告状
- 特別催告状
- 最終催告状
- 督促状
督促状に記載のある納付期限までに納付しなかった場合は、滞納処分として書面や電話などで納付要求が行われます。
自宅や職場に訪問するケースもあるので、滞納事実をバレたくない人は記載のある期限内に納付しましょう。
財産の調査を受ける
督促状を無視すると、本格的な差し押さえの前に財産の調査要求を受けます。
ここでいう財産の調査とは、金融機関の預金調査や勤務先での給与状況など、さまざまな方面へのアクションが行われます。
当然、調査を受けた人たちは滞納者の事情を知ることになるので、信用を失くしてしまうリスクがある点も忘れないようにしましょう。
差押予告通知書が届く
財産調査の終了後は、「差押予告通知書」が届きます。
その名のとおり、この時点では予告なのですぐに財産の差し押さえが行われるということではありません。
差押予告通知書に記載されている保険料と延滞金を支払えば、差し押さえが行われることはありません。
財産の差し押さえ
差押予告通知書の納期限を過ぎてしまうと、「差押通知書」が届き、財産の差し押さえが実行されます。
差し押さえされた財産は、現金等に変えられて未納保険料等の支払いに充てられます。
預金口座が差し押さえられた場合は、未納保険料+延滞金を限度として、日本年金機構へと支払いが行われます。
差し押さえの対象財産が車や不動産の場合は、一度金銭に変える手続きが行われてから保険料に充てられます。
特別催告状を回避するための3つの方法
では、国民年金保険料を滞納してしまった場合に、どのように対処すれば特別催告状を回避できるのでしょうか。
本章では、特別催告状を回避するための3つの方法を解説しています。
支払えない理由を年金事務所に伝える
国民年金保険料を支払えない場合は、年金事務所に支払えない旨を伝えることが大切です。
通知を無視するのではなく、事情を伝えて相談することで保険料の分割支払いが認められるケースも少なくありません。
相談する際、いつまでにいくら納付できるかを示す納付計画案を提示しましょう。
国民年金保険料の免除・猶予を申請する
国民年金保険料の支払いが経済的に難しい場合や納付が困難である明確な理由がある場合は、保険料の免除または猶予を申請できます。
前年の所得が一定の水準以下であれば、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除というように所得が低ければ低いほど免除申請額が大きいです。
納付猶予の期間は、20歳〜50歳未満の人について、所得に関する条件を満たす場合に納付が猶予されます。
昨今では新型コロナウイルスの影響により、収入が減少したことなどのやむを得ない理由で納付が難しい場合に、保険料の免除や猶予が認められています。
弁護士に相談する
借金などの返済が原因で保険料を支払えない場合は、弁護士に相談して債務整理を検討するのも特別催告状を回避するひとつの方法です。
国民年金保険料が免責になるわけではありませんが、借金などの返済がなくなれば、保険料の支払いが可能になります。
現状の借入額と相談して状況にあった債務整理の手続きを行いましょう。
まとめ
国民年金保険料の特別催告状についての理解は深められたでしょうか。
特別催告状が届いた時点では、延滞金などのペナルティは課せられないものの、督促状まで進行してしまうと「忘れてました」では済まされません。
保険料の支払いが困難である人は、財産の差し押さえになる前になるべく早く保険料を支払えない事情を年金事務所に伝えましょう。
また、借金などが原因で保険料が支払えない人は、弁護士に相談するなどの対応をおすすめします。
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