12月の税理士試験合格発表時期は、採用戦略を立てる事務所も多いことでしょう。そこで今回は小規模会計事務所の採用事情をお伝えさせていただきます。

現在の転職市場では、大手・中堅会計事務所以上に小規模事務所の採用が難しくなっています。
税理士試験受験者も減少している中、大手・中堅会計事務所が採用条件のバーを下げており、若い税理士にとっては大手・中規模会計事務所に就職出来るチャンスが広がっています。
若いうちに一度大手で経験したい、という気持ちは根強く、応募先の選定もまずは大手会計事務所から応募し、その結果で中堅会計事務所へ、そこでも厳しければ小規模事務所へ、という流れが一般的です。小規模事務所で特に20歳代の若手スタッフを採用するのは至難であり、かなりの時間を要します。

また現在、小規模事務所に在籍している職員から、中堅・大手会計事務所へチャレンジしてみたいという、転職潜在層も増えています。
小規模事務所としてはただでさえ新戦力を迎える採用が難しいのに加え、職員の転職も想定する必要もあり、人材問題はかなり深刻です。レックスアドバイザーズでも多くの小規模会計事務所から職員採用の相談をいただきますが、求めるスキルによっては半年~1年程度お時間をいただくお話をしております。また人材紹介会社、インターネット媒体での募集のみでは難しいので、職員紹介制度の導入、税理士会の利用、所長の人脈でピンポイント採用するなど、さまざまな手法を提案させていただいております。
ある税理士法人では、3人しかいない税理士資格者の1人が退職するとのことで、退職者は職員ばかりではないようです。社員税理士、パートナーも抜ける可能性もあります。

個人事務所の場合、中堅・大手会計事務所に比べ、世に出ている情報量が少なく応募者も不安があるため、採用には情報の開示、ターゲットの選定、面接官の選定、選考フローの見直し、条件提示の仕方など、各フローで全般的な見直しが必要です。
もちろん数ヶ月でうまく採用成功している個人事務所もありますので、次記事ではケーススタディも交えて触れて行きたいと思います。

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