
■まずは、田牧先生のこれまでのキャリアや法人のご紹介をいただけますでしょうか。
田牧大祐(以下田牧):大学卒業後、ゼネコンで現場監督していたのですが、その後に公認会計士の勉強を始め、東京の監査法人に入りました。そこで会計監査、上場支援や組織再編などの業務を担当していたのですが、仙台の事務所に転勤になり、現在の税理士法人あさひ会計の会長である柴田健一が当時の上司になりまして、その後柴田に誘っていただき、共同で税理士法人を設立させていただきました。
■現場監督から会計士資格を取得するのに何かきっかけはあったのですか?
田牧:当時付き合っていた彼女の叔父さんが会計士だったんです(笑)。
■なるほど!(笑)仙台に転勤されたのはいつ頃の話ですか?
田牧:1999年、28歳で会計士になりまして、2003年の32歳の時に仙台に転勤しました。そこから2011年に税理士法人を設立して、2018年に代表社員になります。今はスタッフが100名ちょっと、グループ全体で160名くらいですね。グループには、株式会社 ASAHI Accounting Robot 研究所(以下Robot研究所)というDX支援をしている会社もありまして、これが弊社の特徴的な取り組みの一つかなと思います。RPAや独自に開発したAI-OCR(画像データの文字を抽出し、文字データに変換するOCR・光学文字認識機能をAIで向上させたもの)を提供したり、会計事務所の会計処理などの自動化支援など、対外的なサービス提供をしています。
会計業界の先駆者としてRPAに取り組む
■川原理事長へのインタビューでも、当時RPAに強いあさひ会計さんに視察に行ったという話を聞きました。RPAはどういうきっかけで取り組み始めたのですか?
田牧:RPAは、社内の佐々木というIT担当のスタッフが「WinAutomation」という海外のRPAツールを見つけてきて、2018年に社内でロボット研究所という遊びのチームを作ったのがきっかけです。RPAは業界を変える事業になると感じ、2019年1月に法人化しました。またMMPGでは、2019年に川原先生にRPAの利活用というミッションをいただいて、 ICT 特別委員会という委員会がスタートしました。現在はDX 委員会として、全国約30の会計事務所が集って一緒に RPAを開発したり、DX の取り組みを共有したりして学び、会員事務所へのRPA導入、DX化を推進しています。今はDX 委員会の事務所を筆頭に、みなさんRPAを自社開発しているイメージです。
■Robot研究所の事業について、もう少し詳しく聞かせていただけますか?
田牧:マイクロソフトの「Power Automate for desktop」というワークフロー自動化ツールがあるじゃないですか。現在、日本で1社だけその「Power Automate for desktop」の公式パートナーとして登録いただいています。マイクロソフトの MVP の方もたくさんジョインしてくれて、いまは会計事務所に加えて一般事業会社のDX 支援をしています。ちなみに設立以来の5年間、Robot研究所では1度も手で仕訳入力をしていません。業界的にも、今は会計事務所でどんどん仕分けの自動化が進んでいますよね。人間が仕分けを担当するのは間違いなく減っていくので、その意味で今後はデータ分析や情報を活用したコンサルの方が重要になってくるだろうなと感じています。
医療・介護・福祉特化とMMPGについて
■あさひ会計さんは事務所が山形と仙台にありますが、特に仙台事務所は医療特化率が高いそうですね。
田牧:そうですね。2018年に仙台の株式会社三澤経営センター様と経営統合をしたのですが、そこが仙台の大手事務所で、しかも医療福祉に特化した事務所だったので、そこからうちの仙台事務所が医療・介護・福祉に特化し、成長の時期に入っていきました。三澤経営センター様とは仲介業者のご紹介で経営統合をしたのですが、三澤先生は以前からMMPGでもご一緒していて、素晴らしい事務所なのは知っていたのと、何より統合後に三澤先生からたくさんの学びをいただいたことが統合の最も貴重な財産になっています。
■MMPGのお話しが出たので、ではMMPGの会員になるメリットはどのようなところに感じていますか?
田牧:事務所の運営であったりサービスであったりと新しい取り組みをされている会員の先生が多い点、また顧問先の顧問報酬、スタッフの評価制度や給料など、何でも情報共有できる雰囲気がある点は、会計事務所をやっていく上でとても勉強になっています。また、川原理事長や執行部の先生方が厚労省や財務省とのネットワークをお持ちで、背景も含めて法改正の情報をいただけるので、それを医療・介護・福祉分野で差別化となる情報として、お客様に届けられています。
MMPGは、そうした公的な役割も担っている民間団体のイメージです。そもそも医療・介護・福祉分野を専門で支援している団体がそんなに無いのと、そうした団体は小さくては意味がないとも思っているので、団体の規模感も重要ですよね。また会員のみなさんが汗をかき、他の会員や世の中のために活動している団体だとも言えます。入った当時はいただくものばかりだったので、いまはMMPGの中で、先ほど話したDX委員会をやらせていただき、自分自身も汗をかいて貢献ができたらと思っています。
■税務会計の面から医療・介護・福祉分野を支える社会的意義も感じられていますか?
田牧:それもありますね。医療・介護・福祉って、結局地域のインフラですよね。そのインフラを支えるという意義は大いにあると思っています。東北の中では、弊社は自治体の会計支援も手掛けている方です。地域経済を支える企業だけでなく、自治体や団体などを会計面からサポートできる、意義のある仕事だとも思います。
■地方の医療・介護・福祉業界が抱える課題も感じられていますか?
田牧:日本の抱える課題は先に地方に表れてくるものですが、例えば地方の医療は承継する方がどんどん減ってきていますよね。その地域を支えていくために、事業承継やマッチングを行って医療の提供体制を維持できるようにするお手伝いを微力ながらできればとも思っています。
■MMPGには資格検定や研修もあるそうですが、どう利用されていますか?
田牧:資格検定、あとはクリニック支援に必要な研修制度もありますし、事務所の所長先生以外のスタッフが交流する「誠志会」というのもあります。そもそも他の事務所との横のつながりって、あまりないじゃないですか。でもその誠志会でならスタッフ同士の横のつながりができます。誠志会では事例共有もやっていて、実際うちも参加して良かったと言うスタッフが多いですね。
税理士法人あさひ会計の人材採用について
■では最後に、あさひ会計さんの人材採用についても聞かせてください。転職志望者にとって、あさひ会計で働くメリットはどこにありますか?
田牧:まず、チャレンジができる環境があります。RPAや自動化を勉強してみたい、新しいことに挑戦してみたいという方にはぜひ入っていただきたいです。あとは例えば事業承継などの資本政策もやっていますので、通常の申告以外のこともやってみたいという方なら勉強になるのではと思います。もちろん医療機関や社会福祉法人の顧問先が多いので、そこをしっかり学びたい方も大歓迎です。ちなみにドクターやその奥様って、一度信頼いただけると何でも相談いただけて感謝の言葉もいただけたりするので、そうしたやりがいも感じてもらえると思います。
■スタッフのベテランと若手の構成はどのような感じでしょうか?
田牧:わりと若い事務所だと思います。多いのが30代前半かな。
■あさひ会計さんとして、ぜひこんな人材を採用したいというのがありましたら聞かせてください。
田牧:あさひ会計にある「クレド」「バリュー」に、「パートナー宣言!」というのを載せています。我々はお客様の収入も財産も家族構成も全てが分かり、お客様が成長しているか、あるいは今大変な状況なのかなども分かった上で、何でも相談に乗れる立場です。寄り添う気持ちがある方にぜひ来ていただきたいですね。
■では最後に、これから医療・介護・福祉の税務会計を手がけてみたいという方に一言お願いできますでしょうか。
田牧:先ほどお伝えしたような、医療・介護の経営者から感謝される仕事、あるいは高度税務、事業承継や資本政策などに興味があり、そうした難易度の高い業務にチャレンジしてみたいという方、ぜひ一緒に働きましょう。
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税理士法人あさひ会計
●設立
1979年 7月 株式会社旭会計事務所
2011年7月 税理士法人あさひ会計設立に伴い、旭会計事務所の税務・会計業務を移行
●所在地
・山形事務所
〒990-0034
山形県山形市東原町二丁目1番27号
・仙台事務所
〒980-0804 宮城県仙台市青葉区大町一丁目1番30号 新仙台ビルディング4階
●会社HP
https://asahi.gr.jp/
MMPG(メディカル・マネジメント・プランニング・グループ)
●設立
1985年4月
●所在地
〒140-0001
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー4階
●会社HP
https://www.mmpg.gr.jp/




