場所や組織に縛られず、自分らしさを追求しながら「楽しい」士業の未来を仲間とともに描く。しかも、関西のfreee顧客件数は11年連続No.1。そんな士業チーム、Evergrowによるリレー連載の第1回は、Evergrowを主宰する公認会計士・税理士の小松秀一朗氏に執筆いただきます。
この記事の目次

小松秀一朗
公認会計士・税理士。2007年に公認会計士試験合格後、監査法人勤務を経て2013年に独立。クラウド会計freeeとWeb会議を活用した全国対応の会計税務顧問サービスを展開。現在は、独立した13名の会計士・税理士で構成される士業チーム「Evergrow」を主宰。3児の父として、旅をしながら仕事を楽しむライフスタイルを実践中。
2025年4月末時点で「Evergrow」としてのfreee導入件数は1300社を超え、freeeを使った税務顧問件数は全国でもトップクラスを誇る。
※この連載は、「すべてのスモールビジネスを支える統合型経営プラットフォーム」を掲げるfreeeの協力でお送りしています
Evergrowは、現在13名の独立した会計士・税理士によって構成されたチームです。
利益を目的とせず、所属するメンバー一人ひとりが、家族やお客様、そして仲間たちと“楽しく成長していくこと”を何より大切にしています。
雇用関係ではなく、それぞれが「個人事業主」として会計事務所を運営し、“緩やかにつながる”スタイルで活動しています。
そんなEvergrowですが、2025年4月末時点で、クラウド会計ソフトfreeeの導入実績は1300社を超えました。
また、47都道府県すべてで税務顧問契約を結び、全国のお客様と実務を通じて、ともに学び、成長させていただいています。
上場企業から個人事業主まで幅広く支援し、地方行政との連携による開業支援やイベント参加などにも取り組みながら、現在は月に30件ほどの会計・税務に関する新規相談をいただいています。
自社のホームページもなく、SNSや派手な営業もしていません。
それでも、「楽しく仕事をしよう」「家族を大切にしよう」「お客様に喜んでもらえることをしよう」という想いに共感が広がり、自然と新しいチャレンジが生まれる環境が育ってきました。
新しくジョインしてくれたメンバーが、「こんな楽しい働き方があるなんて」「こんなに充実した時間の使い方があるんだ」と笑顔で話してくれるたびに、このチームが築いてきたものの価値の大きさや、今後の士業の可能性を感じています。
今回は、そうしたスタイルに至るまでのきっかけや、これまでの経験、そしてこのEvergrowについてもう少し詳細なお話ができればと思います。
資格はあっても、仕事はゼロだった独立初期
公認会計士試験に合格したのは2007年。監査法人での勤務を経て、2013年11月に独立しました。
しかし、独立直後の僕には顧問先も、売上も、実績もゼロ。
公認会計士の資格はあっても、税理士としての知識や経験はほぼ皆無でした。
何からはじめればいいのかもわからず、毎日ジュンク堂へ自転車で通い、税務の本を読む日々。
しかし勉強と実務の差は大きく、実際のお客様対応では「わからないこと」ばかりでした。
そんななかで、お問い合わせをくださったお客様とのやりとりが、僕にとっての“成長の場”になりました。ご相談を受けて、調べ、考え、また調べ直す —— その繰り返しのなかで、想像以上のスピードで自分が成長していくのを実感できたのです。
報酬をいただきながら学べるという、なんともありがたい環境。「実務こそが、もっとも効率的な学びであり、成長の最短ルートだ」と確信するようになりました。
それなら、こちらが“学ばせてもらっている”立場なのだから、報酬が相場より安くても構わない。
とにかくたくさんの人と出会い、たくさんの現場に触れて、たくさんのことを学びたい。
独立当初は、そんな想いで日々仕事に向き合っていました。
47都道府県対応へ。“freee×Web会議”が僕の武器だった
2014年1月にクラウド会計「freee」とWeb会議を使った会計税務顧問サービスを開始。
はじめての問い合わせは埼玉県からでした。
それをきっかけに、「47都道府県対応します」とfreee公式の税理士検索サービスに掲載。すると全国から問い合わせが来るようになりました。
当時、freeeを使っている税理士は少なく、月に15件ほどの新規相談がくるようになり、Web会議でのやりとりを通して全国に顧問先が増えていきました。
ただ、僕が本当に大切にしていたのは、Web会議の“その先”。
実際に現地を訪れ、その土地の空気を肌で感じながら、会社や経営者、従業員のかたがたの想いを深く理解する。そうした一つひとつの出会いの積み重ねが、気づけば「旅する会計士」という自分ならではのスタイルを形作っていきました。
旅と家族と仕事が重なるライフスタイル
キャンピングカーで全国を巡る
まだ子どもたちが小さかったこともあり、妻と子どもたちを連れて日本中を回りました。
沖縄では顧問先のダイバーが船に乗せてくれて、「飛び込めー!」と青い海に放り込んでくれました。
北海道では、現地の人しか知らない誰もいない雪山でウィンタースポーツ。
離島では、その土地ならではの暮らしや文化を子どもたちに体験させてもらいました。台風で島から脱出できず、急きょ4日間滞在することになったことも、とても貴重な経験です。
気づけば、1年の大半を旅先で過ごしながら仕事をするようになっていました。
それが、子どもたちにとってのかけがえのない体験となり、僕たち家族にとってのたくさんの思い出になりました。
「自分らしい働き方」をすると、応援してくれる人が増える
僕は妻と毎月、「付き合った記念日」には食事に行くという習慣を15年以上続けています。
また、子どもが5歳になった年から、毎年1対1で「ふたり旅」を実施しています。
これらは一見、プライベートなエピソードに聞こえるかもしれませんが、実際には仕事にも好影響を及ぼしています。
なぜなら、それらをお客様に伝えることで、「自分もそうしたい」と共感し、深い信頼関係が築かれるからです。
ライフスタイルがキャリアになる。
それが現代の士業の大きな可能性だと思います。



