連結決算は、理屈がわからないまま対応に追われている人も多い分野だと思います。税務会計の関連書籍を紹介する会計人ライブラリー特別編の第6弾は、丸善リサーチが連結決算の基礎から実務までを体系的に学べる専門書をピックアップし、ご紹介します。

この記事の目次

はじめに

連結決算は、会計実務の中でも特に“難関”とされる分野です。
子会社や関連会社との取引・関係を把握し、企業グループ全体の実態を正しく財務諸表に反映させるためには、高度な知識と実務経験が求められます。

しかし、実務の現場では「基礎があやふやなまま決算対応に追われている」「過去のExcelやマニュアルに従うものの、背景の考えかたがわからない」といった悩みが多く聞かれます。

特に、新たに連結決算に携わるかたにとっては、全体像をつかみにくいことが学習の大きな壁となります。
一定の実務経験を積んだ後も、資本連結や取引消去、持分法といった個別論点でつまづくことも少なくありません。

こうした複雑な論点を克服するためには、全体の構造を体系的に理解しつつ、具体的な処理方法まで踏み込んで解説した、信頼できる書籍が大きな助けとなります。

この記事では、連結決算の基礎から応用までをカバーする、実務家向けの参考書籍を厳選してご紹介します。

公認会計士として監査実務に従事されるかたはもちろん、企業の経理部門で連結業務を担うかたやこれから取り組む予定のかたにもおすすめです。
連結決算の知識や経験は、転職市場においても高い評価を受けるスキルとされており、キャリアの選択肢を広げるうえでも非常に有効です。

ご紹介する書籍は、丸善リサーチでいつでもお読みいただけます。
複雑な制度理解を深める一助として、ぜひ記事を活用いただければ幸いです。

連結決算の理解が深まる書籍7選

書影①連結会計の基本と実務がわかる本1.図解&設例 連結会計の基本と実務がわかる本
飯塚幸子 著
中央経済社・発売日:2014/3

図解と設例を中心に、連結会計の基本的な仕組みを視覚的に理解できる構成となっており、初学者や連結決算に苦手意識のあるかたの入門書として最適な一冊です。資本連結・取引消去・内部取引などの主要論点を平易に解説しており、業務の背景を理解しながら知識を定着させたいかたにおすすめです。
図解&設例 連結会計の基本と実務がわかる本

 

書影②連結財務諸表の会計実務2.連結財務諸表の会計実務〈第3版〉
EY新日本有限責任監査法人 編
中央経済社・発売日:2024/6

連結財務諸表に関する制度的な背景から、実務処理・開示に至るまでを網羅的に解説した定番書です。最新の会計基準や開示実務にも対応しており、連結会計の体系的な理解と実務適用の双方をバランスよく学ぶことができます。連結決算の知識を整理したいかたや複数回実務を経験したかたに適した一冊です。
連結財務諸表の会計実務〈第3版〉

 

書影③設例でわかる資本連結の会計実務3.設例でわかる資本連結の会計実務
新日本有限責任監査法人 編
中央経済社・発売日:2014/11
資本連結に特化し、設例を通じて処理の考えかた
や仕訳の背景を理解できる実務書です。「なぜこの処理になるのか」をていねいに解説しており、マニュアル通りに処理はできても根拠に自信が持てないかたにとっての心強い一冊です。連結決算の肝である資本連結について理論と実務の両面から押さえることができます。
設例でわかる資本連結の会計実務

 

書影④連結手続における未実現利益・取引消去の実務4.連結手続における未実現利益・取引消去の実務
新日本有限責任監査法人 編
中央経済社・発売日:2017/3

連結会計における未実現利益の調整や取引消去に焦点を当てた実務書です。適用上の留意点や計算プロセスを豊富な事例とともに解説しています。取引消去はバリエーションが多く対応に迷う論点ですが、本書では多様なケースが網羅的に整理されており、実務で判断に迷いやすい場面でも参照しやすいと評判です。
連結手続における未実現利益・取引消去の実務

 

書影⑤持分法の会計実務5.持分法の会計実務
あずさ監査法人 編
中央経済社・発売日:2014/9

持分法に特化して解説された数少ない実務書です。適用範囲の判断、投資損益の計上、内部取引との関係など、複雑な論点を数多くの設例とともに丁寧に解説しています。持分法に関する知識を体系的に整理したいかたはもちろん、業務で初めて扱うかたにとっても、基礎から理解できる構成となっており、頼りになる一冊です。
持分法の会計実務

 

書影⑥為替換算調整勘定の会計実務6.為替換算調整勘定の会計実務〈第2版〉
新日本有限責任監査法人 編
中央経済社・発売日:2015/3

連結会計でも特に難解とされる「為替換算調整勘定」に特化した実務書です。為替レートの変動がどのように財務諸表に影響するのかを、理論的な整理と実務対応の両面から解説しています。この論点に絞って深掘りされた書籍は非常に珍しく、グローバル企業の経理担当者や海外子会社を持つ企業にとって貴重な一冊です。
為替換算調整勘定の会計実務〈第2版〉

 

書影⑦こんなときどうする?連結税効果の実務詳解7.こんなときどうする?連結税効果の実務詳解〈第2版〉
EY新日本有限責任監査法人 編
中央経済社・発売日:2024/8

税効果会計は単体決算であっても理解が難しい論点ですが、連結決算となるとさらに複雑な調整が求められます。本書は、連結税効果の基本構造や論点の背景から、実務対応までを丁寧に解説した実務書です。「こんなときどうする?」という形式で、判断に迷いやすいケースごとに丁寧に解説され、苦手意識が薄まる一冊です。
こんなときどうする?連結税効果の実務詳解〈第2版〉

丸善リサーチで学習やリサーチ業務を効率化

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連結決算のように論点が多岐にわたり、処理の背景や制度の変遷を理解する必要がある領域では、信頼できる専門書の存在が不可欠です。

丸善リサーチは、会計・税務を中心とした専門書を取りそろえた読み放題サービスであり、連結決算に強くなりたいかたにとっても頼れるプラットフォームです。
以下が、連結決算の学習や実務において丸善リサーチが選ばれている理由になります。

  1. 名著・定番書がまとめて読める
    丸善リサーチには、今回ご紹介したような実務家に定評のある書籍が多数掲載されています。「書店で見つからなかった一冊が読めた」「買うにはためらっていた専門書が参照できる」といった声も多く、連結決算を体系立てて学べる環境として活用が広がっています。
  2. 横断検索で複数書籍を一気に調べられる
    「資本連結の考えかたを複数の視点で比較したい」「未実現利益の処理をさまざまな設例で確認したい」といったニーズに応えるのが、丸善リサーチの横断検索機能です。キーワードに基づき、複数書籍から該当箇所をページ単位で検索できるため、リサーチ業務の効率が格段に上がります。
  3. デジタルならではの使いやすさ
    オンラインでどこからでもアクセスできるため、書籍を持ち運ぶ手間がなくなり、必要なときにすぐにリサーチできます。
    さらにコピー&ペーストや印刷など、書籍の内容を活用する多彩な機能も用意されています。

丸善リサーチは無料トライアルを実施しており、実際の機能や情報の充実度を体験できます。
無料トライアルを通して、革新的なリサーチ体験を試してみてはいかがでしょうか。
※個人トライアル、法人トライアルいずれも受付しています

まとめ

連結決算は単に仕訳処理を覚えるだけでなく、制度の背景や論点のつながりを理解することが求められる分野です。

こうした深い理解を支えるのは、信頼性の高い専門書であり、その多くは長く現場で読み継がれてきた名著です。
丸善リサーチは、そうした書籍にいつでもアクセスできる環境を提供し、多くの公認会計士や企業経理担当者を支援しています。

「なぜその処理を行うのか」を自信を持って説明できる力は、決算業務はもちろん、今後のキャリア形成にも大きな意味を持つはずです。
いまこそ、体系的な理解の土台となる“確かな一冊”に出会ってみませんか。

 

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