会計関連の書籍を紹介する会計人ライブラリー、今回は特別編です。AIで会計事務所の事務作業が効率化される一方、高度なリサーチ業務の活用には注意が必要です。リサーチの信頼たる情報源としていま注目されているのが、専門書サブスクです。

この記事の目次

はじめに

AI技術や自動化ツールの急速な発展により、会計事務所における業務効率化が加速しています。
特に日常的な問い合わせ対応やデータ処理、文書作成といった分野で、AIは幅広い役割を果たしています。
しかし、リサーチ業務など税理士としての高度な専門性が求められる業務では、AIのみでは不十分なことも多く、信頼性の高い情報源が必要です。
この記事では、会計業務におけるAIの活用事例と 、その限界、さらに専門書サブスクの必要性について解説します。

会計事務所業務におけるAI活用事例

AIは会計事務所でのさまざまな業務の効率化に貢献しています。
具体的な活用事例としては、以下のようなものがあります。

自動化された質問への応答

会計事務所では、日常業務で基本的な質問が頻繁に発生します。
たとえば「法人申告書の提出期限」や「Excel関数の使い方」など、従業員が知りたい情報は多岐にわたります。
こうした質問にAIが迅速に対応することで、コア業務に集中できる環境が整います。
さらにAIに質問の種類や回数を分析させることで、社内FAQの更新や新しい研修テーマの設定にも役立てられます。
これにより質問応答業務だけでなく、組織全体の業務効率も改善され、社員が知識を共有しやすい環境を構築できます。

データの分類と整理

たとえば仕訳入力業務では取引データが大量に存在するため、適切な分類と整理が欠かせません。
AIであれば、ExcelやPDFの膨大なデータを自動で読み込み、取引内容に基づいて適切な勘定科目や取引種別に分類することが一定程度は可能です。
数百件に及ぶ取引データがある場合でも、一括で処理することで業務スピードを大幅に向上できる可能性があります。
ただし厳密な再現性がある業務は得意ではないため、プロンプト設計などによって精度を上げる工夫も必要でしょう。

簡易な文章作成と文書レビュー

会計事務所では、クライアント向けの報告書や資料の作成は重要な業務です。
AIは月次や年次の決算データをもとにレポートを生成することができ、文書の構成や必要な情報を自動で盛り込むこともできます。
使い手は最終的な調整や確認を行うだけで済むため、全体の作成時間が大幅に短縮されます。
さらにAIは文書をレビューすることにも優れており、文書の一貫性や正確性も向上させることが可能です。
特に細かな文法チェックや過去のレポートとの整合性の確認など、専門家が見落としやすい部分をサポートしてくれるため、クライアント提出前の文書品質の向上にも役立ちます。

リサーチ業務におけるAIの限界

AIはさまざまな業務を効率化する一方で、専門的な判断が求められるリサーチ業務においては限界があります。
特に生成AIには「ハルシネーション」と呼ばれる誤情報の生成リスクがあり、正確さが求められる場面では注意が必要です。
最近、ChatGPTの有料版に限り情報ソースをリンクとして提供するWEB検索機能が追加され(※2024年11月の執筆時点)、回答の信頼性は以前より向上しました。
リサーチで利用するのであれば、こちらのWEB検索機能を活用しましょう。
ただ、この情報ソースは主にインターネット上の一般情報に基づくため、税法の解釈や個別事例の検討といった専門性の高い分野での利用には限界があります。
このように税法や通達、過去の事例に基づく正確な知識が求められるリサーチ業務において、AIは補助的な役割である、つまり初期段階で見当をつけるツールと割り切ることも重要です。

リサーチ業務における専門書サブスクの重要性

リサーチ業務において、確かな情報源は不可欠です。
特に税務や会計分野では法改正や通達変更があり、さらにはケースごとに判断が求められるため、専門的な知識に裏打ちされた書籍や資料が必要となります。
このようなニーズに対応するサービスとして、最近では「丸善リサーチ」が注目されています。

丸善リサーチ①

丸善リサーチは、税務、会計、M&A領域に特化した600冊以上の専門書をオンライン上で読み放題できるサービスです。
専門家が信頼を寄せる22社の出版社と提携しており、信頼性の高い情報にいつでもどこでもアクセスできます。

丸善リサーチの強みのひとつが「横断検索」機能です。
この機能は、600冊以上の専門書の本文を対象に複数キーワードで検索ができます。
たとえば「資本的支出 塗装」といったキーワードで検索を行うと、複数の書籍の関連ページが表示され、内容を確認することが可能です。
またこうした多角的な情報収集によって、精度の高い判断が下せるだけでなく、リサーチ過程で論点の検討漏れに気づくこともできます。

丸善リサーチ②

さらに丸善リサーチは無料トライアルも実施しており、実際の機能や情報の充実度が体験できます。
無料トライアルを通して、専門書を活用したリサーチ体験を実感することが可能です。

まとめ

AIの自動応答やデータ処理機能を活用しながら、リサーチなど精度の高い判断が求められる業務では、AIはあくまで初期的な見当をつけるツールとして位置づけることが肝要です。最終的な判断にあたっては、専門書籍や丸善リサーチのような専門書サブスクが重要な情報源として活躍します。
会計事務所の業務効率化をさらに進めるべく、ぜひみなさまもAIや専門書サブスクを試してみてはいかがでしょうか。

 

丸善リサーチ
●会社HP
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●サービス紹介
丸善リサーチは、会計・税務書籍の読み放題サービスです。
信頼できる数百冊の書籍・雑誌を掲載し、いつでもどこでも自由に会計・税務のリサーチができます。

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