多くの求人媒体に掲載したり、高条件を提示したりしてもパートの応募が集まらない?それは「求人原稿の質」が原因かもしれません。つまり、求職者が本当に知りたい情報が伝わっていない可能性が高いかも。この記事では、パート人材向けの効果的な求人作成の基本について解説します。
この記事の目次
売り手市場と言われ、数多くの求人があふれる現代において、「求人を出してもなかなか応募が来ない」と悩む採用企業は珍しくありません。
応募を集めるために多くの求人媒体に掲載したり、給与を上げたり、さまざまな対策を講じているかと思いますが、「求人の質」に注目してみたことはありますか?
「求人の質」とは、「待遇や条件のいい求人」ではなく、「伝えたいことが伝えたい人に伝わる求人になっているか」ということです。
この求人を見る求職者は何を知りたいのか?どの条件を重要視しているのか?同じ目線で伝わっているか?
そうしたポイントを押さえないまま求人をアピールしても、空回りするばかりか、採用に至った後に「思っていたのと違った」と早期退職になるリスクもはらんでしまいます。
この記事では、採用ターゲットに合わせた求人原稿作成の押さえるべきアピールポイントを、アカナビ事務局が解説します!
新しい広告を出す前に、まずは既存の求人原稿を見直してみませんか?
正社員向けとパート向けでアピールポイントを変えよう
アピールポイントを考えるときの第一歩は、「この業界・ポジションで仕事をしたい人はどういう人だろう」と考えることです。
例えば正社員の場合、多くの方が自身で生計を立てる必要があるため、まず重要なのは給与です。
そのなかでもグラデーションはあって、独立のためや稼ぐためにいくらでも働きたいという方もいれば、家庭やプライベートのためワークライフバランスを気にする方もいるでしょう。
ほかにも転勤の有無、福利厚生、キャリアアップなど、ニーズは多岐にわたります。
ですが、それらすべてを満たせば良いわけではなく、ターゲットとなる人物像を明確にし、ターゲットが重視するであろう条件(例えば家庭を重視する人なら、「残業時間、フレックス制度、テレワーク」など)を重点的にアピールすることが重要です。
正社員として働きたいと思っている方と、パートとして働きたいと思っている方では、仕事に求める条件や重視するポイントが異なります。
そこを押さえるだけでも、求職者の知りたい情報が伝わりやすい求人になるでしょう。
パートが知りたいポイント:休暇やシフト、働く環境について
パート勤務を希望する方は、誰かの扶養に入っていたり、生計をともにする方がいたり、単独で生計を立てなくてもよい方が中心です。
また、正社員の求人が多数出ているなかで、あえてパート勤務を希望する方の大半には、「フルタイムを選ばない」理由があります。
その最たるものが、子育ての事情によるものです。
子どもが小さいうちは急な体調不良も多く、健康だったとしても例えばインフルエンザで学級閉鎖になれば、一人で留守番はさせられません。
そうなったときに急なお休みが取れるか、リモートワークに切り替えができるかなど、仕事に穴を開けずに済む制度が整っているかを気にする方は多いでしょう。
幼稚園・保育園や学童、習いごとへの送迎に間に合うよう通勤することも考えると、働ける時間帯も限られるので、長時間を前提にしたシフトより、短い時間から選択できるほうが応募は集まりやすくなります。
勤務前後の送迎を考えると、自転車通勤(エリアによってはマイカー通勤)が可能なこともプラスポイントです。
事務所経験者と未経験者でアピールポイントを変えよう
雇用形態と同様に、会計事務所での業務を知っている実務経験者と、他業種から転職してくる未経験者でも、それぞれ求人の気になるポイントは異なります。
会計事務所経験者の場合
会計事務所から会計事務所に転職する理由は、何があるのでしょうか?
残業時間を減らしたい、給与を上げたい、新しい領域の税法に挑戦したいなど、なにかしらいまの事務所では得られないものを得たいからでしょう。
その場合、特に明確に、かつ詳細に記載するべき内容は以下の3点です。
- 勤務環境:平均残業時間、リモートワークの可否、福利厚生や有休消化率など
- 昇給や評価制度:人事評価制度の有無、賞与や退職金の有無など
- 業務範囲:入社後のキャリアプラン、同じチームで働くスタッフについて、事務所が得意とする領域など
ここでも重要なのは、「自社の求人に興味を持つ人はどのような人か」を考え、どこに重点を置くのか、他に追記するべきことはないかを考えることです。
メリットとデメリットは表裏一体、「残業はほぼゼロ」というアピールポイントも、「たくさん経験を積みたい」と思っている人にとっては、デメリットと感じるかもしれません。
残業なしをアピールポイントとするなら、それをメリットと感じる人に向けた求人内容に全体を調整する必要があります。
未経験者の場合
はじめて会計事務所で働く方は、会計事務所の業務の流れや専門用語を知らない、聞いたことはあってもなにをするのかまではわかっていないことが多いです。
この場合のコツとして、他業種の友人や家族に会計事務所の仕事を説明するつもりで言葉を選び、求人を作成すると、わかりやすいものになります。
そのうえで、特に明確に、かつ詳細に記載するべき内容は以下の3点です。
- 育成について:マニュアルの有無、OJTやメンター制度、事前に知っておくと良い知識など
- 独り立ちまでの育成プラン:はじめに任せる仕事、それにかける期間、最終目標など
- 社内環境:年齢構成や男女比、所属部署やチームの人数など
何らかのきっかけで会計税務業界に興味を持ったとはいえ、未経験から新たな業界にチャレンジするのは勇気のいる選択です。
どのような経験ができるかわからない、誰が教えてくれるのかわからない、どのような知識を付けたらいいかわからない…そのような不安が1つでも減るよう、未経験者に寄り添った求人を心がけましょう。