税理士が税務調査の現場で問われるのが、準備力や対応力です。今回の会計人ライブラリー特別編では、税務調査の現場で役立つ知識やノウハウが詰まった実務書を、税務・会計関連の専門書籍を多数刊行する「ぎょうせい」が厳選してご紹介します。

この記事の目次

はじめに

税務調査は、税理士にとって避けては通れない重要な局面であり、腕の見せどころでもあります。
調査官とのやりとりや証拠の提示、立証責任の理解など、対応の質が顧問先の信頼やリスク管理に直結します。
また近年は、質問応答記録書や電子取引データの確認など、調査の手法も高度化・複雑化してきました。

こうした状況で求められるのは、事前準備と現場対応の両面における「確かな知識と実践力」です。
この記事では、税務・会計関連の専門書籍を多数刊行する「ぎょうせい」が、税務調査に強くなるための実践書を厳選し、調査対応力を高めるためのノウハウをご紹介します。

すぐ役立つ!税務会計関連書籍のプロが選ぶ税務調査の実践書

税務調査の現場でよくある身近なケースが満載

実地税務調査対応の強化の書影
1.ケーススタディ 実地税務調査対応の強化書 上下巻
上巻)全般・相続税編:安部和彦・河合厚・前山静夫 著
下巻)法人税・所得税編:宮下裕行・柳谷憲司・安部和彦 著
発売日:2025/09

国税の立場、納税者の立場の双方を知る国税OB税理士が解説しています。上巻では「電子メールやLINEも調査の対象となるのか?」「小規模宅地等の適用について否認された」など、下巻では「棚卸資産の評価損について指摘された」「経費支出が原資以上になっていた!~経費金額の不一致」などの精選されたケースを、上下巻合わせて約100事例掲載。実地による税務調査が増加傾向にあるいま、対応力の強化のためにぜひ押さえておきたい実務書です。

ケーススタディ 実地税務調査対応の強化書 上下巻

 

豊富に掲載された図が理解を手助け!

重加算税の反証ポイントの書影
2.ひと目でわかる! 重加算税の反証ポイント
吉田正毅 著
発売日:2024/12

国税審判官を経験した弁護士の著者が、重加算税が取消となった事例を5つのパターンに分類し、税目別に納税者側の立証ポイントを解説した書籍です。税務調査を経て重加算税とされないための主張、テクニックが身につきます。第1章では、判例における重加算税の賦課要件を整理し、第2章では、第1章で整理した重加算税の賦課要件ごとに取消事例を取り上げ、国税当局が重加算税の賦課要件を満たすとした理由と、裁判所や国税不服審判所が重加算税の賦課要件を満たさないとして取り消した理由を検討し、その取消のポイントを整理していきます。第3章では、近年の重加算税取消事例について個別に取り上げて、国税当局がどのような理由で重加算税の賦課決定処分をしているのか、それがどのような理由で取り消されているのかを概観し、近年の傾向をみていきます。

ひと目でわかる! 重加算税の反証ポイント

 

納税者を是認に導く税務判断の心強い味方!

税務調査の立証方法の書影
3.是否認はここで分かれる! 税務調査の立証方法
四方田彰 編著、小野木賢司・高木良昌・谷口智紀・角田敬子・茂垣志乙里・山本直毅・横井里保 著
発売日:2024/11

税務調査において、納税者側と調査官側の見解が分かれる、どちらとも判断がつけがたいような事例について、税目ごとに調査に立ち会う税理士が事実関係をどう説明するか、エビデンスとなる資料や判例を証拠に立証のポイント・注意点を解説しています。

掲載している事例(一部)
・後発的事由による更正の請求の範囲 -訴訟上の和解と課税所得-
・役員退職給与の損金不算入 -みなし役員と退職事実の有無-
・課税仕入れの該当性 -給与と外注費-
・相続財産の種類の判定 -売買契約の合意解除と相続財産-
・税務調査受忍義務の範囲 -帳簿の不提示と税理士の善管注意義務-

是否認はここで分かれる!税務調査の立証方法

 

税務調査で反論できる根拠を明示!

逆転裁決に学ぶ税務調査の立証ポイントの書影

4.これなら税務署も納得!逆転裁決に学ぶ税務調査の立証ポイント
谷原誠 著
発売日:2023/11

令和の納税者勝利の裁決事例から20事例を厳選して掲載しています。税務調査の手続に沿って反論できる、反論する証拠を提示しました。税理士資格のある弁護士が、事実認定で負けない立証ポイントを示します。

これなら税務署も納得!逆転裁決に学ぶ税務調査の立証ポイント

 

是認を得る証拠の集め方・見せ方が分かる!

税務署を納得させるエビデンスの書影
5.税務署を納得させるエビデンス―決定的証拠の集め方― 全3冊(個人編・法人編・相続編)
伊藤俊一 著

発売日:2023/01

税務署から是認を得るためのエビデンスの収集・整理方法を、調査で指摘されやすい主要項目ごとに、Q&Aで解説した書籍です。その際の論拠となる裁判例や判例などの実例、さらには国税内部の情報を厳選してその要点を明示しています。

税務署を納得させるエビデンス―決定的証拠の集め方― 全3冊(個人編・法人編・相続編)

 

調査官の事実認定手法がわかる!

税務調査対応の「事実認定」入門の書影
6.税務調査対応の「事実認定」入門
吉田正毅 著
発売日:2020/12

税務調査における事実認定の基本から実務までを網羅的に解説した実践的な一冊です。​税務調査の流れや証拠収集の方法、裁判例を基にしたケーススタディを通じて、税務職員や税理士が直面する課題に具体的な対応策を示します。著者が国税審判官として培った経験を生かし、税務調査の実務に役立つ知識をわかりやすく提供しています。
本書は3つの章からなっており、第1章で税務に関する証拠に絡めて民事訴訟における事実認定の基本的な考え方を概説し、第2章でケーススタディとして税務訴訟の判決を題材に裁判所がどのように事実認定をしているかを紹介、検討しています。第3章は、税務調査手続において、法律には規定されていない税務署内部で作成される資料を基に税務署側の視点からの事実認定の方法をまとめています。第1章から第3章を読むことで、税理士や国税職員の方々は税務調査における事実認定の概要が理解でき、これから税務調査対応をされようとしている弁護士の方々は、税務事件での特徴的な証拠とその事実認定の概要や税務調査の具体的な手続実務が理解できる内容となっています。

さらに学びを深めたい方へ。税理士向け読み放題サービス「PLAT税理」

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ぎょうせいが提供するPLAT税理は、日本税理士会連合会が推薦する税理士のための 読み放題サービスです。
毎月発行される『月刊税理』、月3回発行の『旬刊速報税理』、単行本、加除式図書、さらに36時間の会則研修に含まれる研修動画も閲覧できます。
掲載記事数は約1.2万件、のべ執筆者数は900人を超えるため、税務で悩んだ際の情報収集に役立ちます。

また今回ご紹介した書籍も、「ぎょうせいオンラインショップ」にて電子書籍を購入いただくことでPLAT税理に連携でき、情報検索の幅がさらに広がります。

現在1か月間の無料お試しを実施中です。掲載しているすべてのコンテンツが閲覧可能となりますので、ぜひこの機会にお試しください。

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まとめ

税務調査は「準備力」と「対応力」がすべてです。
今回ご紹介した書籍は、税理士のみなさまに現場で直面する課題に即応できる知識やそのノウハウを提供します。
顧問先の信頼を守り、リスクを最小化するために、ぜひこれらの実践書を活用してみてください。

株式会社ぎょうせい

●会社紹介
1893年創業。日本税理士会連合会が唯一監修する雑誌『税理』をはじめ、税法、税務、判例・裁決集、会計関連の専門書籍を多数刊行している。

●会社HP
https://gyosei.jp/

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