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個人事業主“195万円の壁”とは?

生きていくなかで、切っても切れないのが「税金」の存在。国や地方自治体に税収があるからこそ、さまざまなサービスを受けられるとはいえ、なるべく自己負担は軽減させたいもの。今回は個人事業主の場合、いくら稼いだらどれだけ税金を納めなければならないのか解説していきたい。

■個人事業主に課せられる税金

事業活動を行っていくうえで個人事業主に主に課せられる税金は以下の通りだ。

1. 所得税
2. 住民税
3. 個人事業税
4. 消費税

税金は、「課税対象となる金額×税率」で計算される。税率は各税法により定められているため、課税対象となる金額が増えれば税負担が増え、課税対象となる金額が減れば税負担も減るという構造だ。

この4つの税金の中で、所得税だけが「超過累進課税方式」を採用している。所得税は、所得金額に直接税率を乗じて求めるわけではなく、納税者の家族構成などの個人的な事情を勘案して算出した金額を所得控除できる。

所得控除には、下記のようなものがある。

1. 雑損控除
2. 医療費控除
3. 社会保険料控除
4. 小規模企業共済等掛金控除
5. 生命保険料控除
6. 地震保険料控除
7. 寄附金控除
8. 障害者控除
9. 寡婦(寡夫)控除
10. 勤労学生控除
11. 配偶者控除
12. 配偶者特別控除
13. 扶養控除
14. 基礎控除

■所得税は金額によって異なる

「超過累進課税方式」とは、課税対象となる金額が大きくなればなるほど、より税率が高くなる課税方式のことだ。

“195万の壁”とは、課税対象となる金額が195万円以下の場合は、税率が5%と最小限に抑えられ、それ以上の金額になると段階ごとに税率が上がることを表している。

まずは、次の表を見てほしい。

これは所得税の速算表である。たとえば、課税の対象となる金額が1千万円だった場合、
(1千万円×33%)-153万6千円=176万4千円という具合に計算する。さらに、復興特別所得税176万4千円×2.1%=3万7044円も併せて課税される(2017年3月現在)。

「超過累進課税方式」での注意点は、課税の対象となる金額全額に対して33%の税率が課せられるわけではないということだ。33%の税率が適用されるのは、あくまで900万円超の部分だけである。

1千万円の申告を行う場合、本来は、下記のような計算を行うが、速算表を用いると、簡単に176万4千円という数値を導き出せることも、覚えておくといいだろう。

1. 195万円×5%=9万7500円
2.(330万円-195万円)×10%=13万5千円
3.(695万円-330万円)×20%=73万円
4.(900万円-695万円)×23%=47万1500円
5.(1千万円-900万円)×33%=33万円
6. 1~5の合計=176万4千円

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