自営業者の事業所得の計算はまず「収入金額」をきちんと把握することが大切です。今回は、自営業を営む人が収入金額として認識すべき、いわゆる、「自家消費」について紹介します。
Q. 八百屋を経営しています。野菜を家族で消費した場合も収入に計上するのでしょうか。
A.
商品を自家用に消費した場合には、所得税法上(所39条)「自家消費」または「家事消費」として、その商品の販売があったものとして取り扱われます。その収入金額は、原則としてその商品の通常の販売価額。ただし、家事消費や贈与のときは、原価か通常の販売価格の70パーセントのいずれか多い金額で計上してもよいことになっています。そのほか、通常の販売価額の70パーセント未満で廉価販売したときも、通常の販売価額の70パーセントの金額を収入として計上することも可能です。
収入金額は1月1日から12月31日までの間に、収入すべきことが確定した金額の総計のことです。実際の収入ではないので、まだ入金していない売掛金や未収金なども収入金額に含みます。
事業を営む人には、先ほどの自家消費のような「特殊な収入」があるのです。知っておきたい特殊な収入としては以下のものが挙げられます。
・雑収入
・仕入割引や得意先からのリベート収入
・事業上の付随収入(従業員に対する貸付金利息、広告掲示による収入、従業員寮の家賃収入など)
・税込み経理した預かり消費税や地方消費税などの公課による収入
・火災保険金や損害賠償金などの収入
・未払い金の支払いを免除されるなど、物品や経済的な利益による収入
自営業者の方は、これらも「収入金額」だと認識しておくことが必要です。
この情報は2017年8月時点のものです。