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第4回 頭の痛い高齢者の財産管理:突然の入院に備えておくべきこと(2)70歳以上の医療費負担の確認

入院や手術には多額のお金がかかるイメージもありますが、公的医療保険制度が適用できる治療なら、医療費の大半は公的医療保険でまかなえます。入院が長引くようであれば、負担が軽減される制度もあります。ただし負担割合や上限額は年齢や所得により異なります。今回は、70歳以上の高齢者が入院・手術をする場合、どれくらいの負担になるのか確認してみましょう。

日本に住んでいる人は誰でも、いずれかの医療保険制度に加入することになっています。74歳までは国民健康保険や被用者保険(協会けんぽ、組合健保、公務員の共済組合など)に加入し、75歳以上はすべて後期高齢者医療制度に加入します。どの制度に加入していても、医療費に関する基本的な給付(法的給付)は同じです。

■自己負担は1~3割

医療保険の加入者証(いわゆる保険証)を提示して保険適用の治療を受けた場合、年齢や所得により異なりますが、医療費や薬剤費の自己負担は、1~3割で済みます。自己負担割合は表1のとおりです。70 ~74歳の人は2割か3割、75歳以上の人は、1割か3割の自己負担になります。

 

表1:70歳以上の医療費の自己負担割合

※1:課税所得145万円以上で、かつ年収が単身世帯で383万円以上、2人世帯で520万円が目安。    被用者保険加入者は、標準報酬月額28万円以上  ※2:特例措置として、2014年4月1日までに70歳の誕生日を迎えた人は1割負担

■1カ月の医療費負担には上限がある

たとえば医療費が1カ月あたり200万円かかったときには、1割負担といえども月に20万円もの高額な医療費を負担する計算になります。しかし、1カ月の負担額には上限があるため、20万円全額を負担する必要はありません。上限を超えた医療費については医療保険制度から支給されるからです。これを「高額療養費制度」といいます。70歳以上の医療費の自己負担限度額は、所得により次のように決められています。

 

表2:70歳以上の医療費の自己負担限度額(高額療養費制度)

2017年8月からは、〈   〉内の金額に変更 ※1:世帯全員が住民税非課税 ※2:住民税非課税、かつ年収が年金のみの場合で単身80万円以下、2人世帯160万円以下など ※3:直近12カ月のうち3カ月以上高額療養費の対象になると4カ月目以降は負担が軽減される

たとえば、ひとり暮らしで収入が公的年金や企業年金のみの70歳以上の人が、入院・手術をして1カ月で200万円の医療費がかかった場合でも、窓口で支払う金額は以下の金額で済みます。

・年金額120万円(住民税非課税) ⇒ 2万4600円
・年金額250万円(一般)     ⇒ 4万4400円(8月からは5万7600円)
・年金額450万円(現役並み所得) ⇒ 9万7430円(注)

注:8万100円+(200万円‐26万7000円)×1%=9万7430円
所得が高い人ほど負担は増えるものの、かかった費用に比べると非常に少ない額で済むといえるでしょう。

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