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創業(3年)で倒産しないために…!知っておきたい開業準備のオキテ ~数値の見方編【FLR比率】~

これから飲食店の開業を目指す方は店舗の運営はもちろんのこと、経営についても自らの判断で行っていかなければなりません。飲食店を経営する上では儲かるどうかは3大コストのFLRを管理しきれるかが重要となります。そこで、今回は「FLR比率」の数値の見方について紹介します。

飲食店の3大コストのFLRを把握しよう

神奈川で個人事業主として居酒屋を開業しようとしているWさんは、現在、開業に向けて物件を探しています。色々な物件を見ていく中で、坪数が広い、家賃が高い、居抜き物件等の様々な特徴があり、どの物件にすればいくら儲かるのかが分からないため、物件を決められず悩んでいました。

飲食店の場合、儲かる(多くの利益を生み出す)かどうかは、飲食店の3大コストであるFLRコストをどれだけコントロールできるかに大きく左右されます。FLRコストとは、ドリンクなども含んだ材料費である原価(Food:フード)、人件費(Labor:レイバー)、家賃(Rent:レント)のことです。

このFLRコストの売上に対する構成比率の適正水準は、売上の70%以内です。FLRが約70%であれば利益は10%残り、75%であれば利益は5%残り、それ以上となるとお店に利益はほとんど残りません。これはどんな業態にも共通したルールです。

FLR比率70%以下を目指しましょう

その後Wさんは、飲食店専門の税理士から儲かるためにはFLR比率を70%以下に抑えることが大事な旨を教えてもらいました。各物件の立地と広さから売上を推計し、FLR比率をシミュレーションすることで、どの物件にすればいくら儲かるのかを明確にすることができ、自信をもって物件を選ぶことができました。

一般的なFLR構成比率としては原価 (F):30%、人件費(L):30%、家賃(R):10%の合計70%ですが、高原価の立ち食いステーキの業態のように原価(F):50%であっても、立ち食い&シンプルなオペレーションにすることで、席の回転率と生産性を高め、売上を増やし、人件費(L):15%、家賃(R):5%に抑え、合計70%にするという方法もあります。

また、家賃(R)が5%になるような2等立地戦略を基準とし、その分原価 (F)と人件費(L) のFL(65%)に力を入れることで店舗運営力を高め繁盛店を作り、FLR構成比率を合計70%にする方法もあります。どのようなビジネスモデルを組むかでFLRの構成比率の比重は変わりますが、儲かるためにはFLRの合計で70%以下に抑えることが必須というルールは共通です。

このルールを知らずに開業してしまうと、現場に出て毎日必死に働くが、いつまでたっても利益が得られず、苦しい生活が続き疲弊してしまい、「実は計画の段階で儲かっていなかった・・・」という残念な開業になってしまいます。

飲食店開業の基本はFLR比率のコントロールから!開業後の飲食店経営で失敗しないにも、FLR比率を70%以下に抑えられるようにビジネスモデルを作ることが大切です。

著者: 水野剛志

Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。
■Credo税理士法人
http://credo-tax.com

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