国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

女性記者のひとりごと vol.66 公務員宿舎

公務員宿舎。引き渡す際の原状回復チェックが半端ないのだとか。

「原状回復義務が厳しくて嫌になるよ」
久しぶりにお茶をご一緒した元審議官が席に着くなり顔をしかめる。
最近、公務員宿舎から民間のマンションに引越したのだが、宿舎を引き渡す際の原状回復チェックが半端ないのだという。
財務省の公務員宿舎は、都心の一等地にありながら格安の賃料という事で昔から何かと物議を醸している。

その多くはかなり古い建物だが、メンテナンスがゆき届いており、「大蔵ブランド」というイメージも手伝って風格すら感じさせる物件が多い。
民間の賃貸住宅と違って入居時に敷金がないというのも魅力の一つ。
しかしその代わり、退去時の原状回復義務が恐ろしく厳しいのだという。
民間の賃貸住宅の場合、相当な汚れがない限り敷金で対応してもらえるが、公務員宿舎は全額自己負担。
しかもちょっとした壁の色褪せや、畳の撓みなども厳しく指摘され、壁紙から畳の張替えまで強いられるケースも珍しくないのだとか。
徹底的に綺麗にして引き渡す必要があるため、長期間住んでいた人などはハウスクリーニング業者に掃除を依頼するケースも多いようで、原状回復に数十万円の支払いを余儀なくされる人もいるのだとか。
まあね、賃借人が負担しなければ税金が投入されることになるんだから、その辺はちゃんとしてほしい。一等地に格安で住んでいたんだもの。
な〜んてことを頭の隅で考えながら、「それは大変でしたね…」と同情する二枚舌の私。

その昔「これでいいのか大蔵住宅!」と大バッシング記事を書いたものだが、過剰優遇のイメージの裏で原状回復をめぐる地味な苦労があることを知っていれば、記事のトーンも少しは軽くなっただろうか。いやそんなことはない。私に限って。

著者: 川瀬かおり

記者/税金ライター

社会部を根城とする税金オタクの女性記者。財務省・国税庁を中心に取材活動を展開すること20余年。事件モノを得意とし、裁判所にも日参する。税金ネタをこよなく愛する一方で、税制の隙間や矛盾を見つけては叩きまくるサディスティックな一面も。趣味は夜討ち朝駆けとクラブ通い。

ページ先頭へ