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創業(3年)で倒産しないために…!知っておきたい開業準備のオキテ ~店舗コンセプト【調査①】編~

飲食店の開業にとって、店舗コンセプトは成功と失敗を決めると言っても過言ではありません。そこで、今回は「店舗コンセプトを磨き込むための調査のやり方」について紹介します。

計画に客観性はありますか!?

都内のオフィス街でイタリアンを開業しようとしているbさんは、店舗コンセプトを作成&修正をしていく中で、他の飲食店の状況や出店エリアの商圏状況を調査して、自身のビジネスプランの仮説を検証したいという思いが強くなりましたが、その方法が分からず悩んでいました。

店舗コンセプトを作成する際に難しいのが、売上予測です。売上を計画の段階で予測することは完全にはできませんが、その精度を①商圏調査、➁店前交通量調査、③ベンチマーク店調査などの客観性を加えることで高めていくことは可能です。

飲食店は立地商売ですので、出店予定エリアの商圏にターゲットとする客層がどのくらい存在するのかを事前に調査しておく必要があります。その際に、有効なのが①商圏調査➁店前交通量調査です。また、③ベンチマーク店調査とは、ご自身の店鋪と同一業態のお店を比較分析する基準店として調査するものです。これらの調査の中でも、一番、簡単にできるのが➁店前交通量調査です。

店前の交通量を調査し、ターゲットとする客層の動きを調査しよう!

その後bさんは、飲食店専門の税理士に相談し、店前交通量調査のやり方を教えてもらいました。実際に出店を検討している物件の店前交通量を調査してみることで、ターゲットとしている20代~30代のOLの客層が想定通り多く通ることが分かりました。また、夕方の早い時間から仕事帰りのOLが多く通ることが分かり、店鋪の開店時間を早める計画に修正しました。

店前交通量調査では、曜日、時間帯ごとに店前を通る人の数を性別、年齢など属性に分けて調査するものです。これにより実際の通行人の客層、曜日や時間帯ごとの動きが具体的にわかるので、実際に営業するイメージがよりつきやすくなります。馴染みのないエリアに出店する場合やラーメン店などの店前通行人が集客に結びつきやすい業態で出店する場合には特に有効となります。店前通行量の調査方法ですが、以下の4つの区分を明確にしてから実施します。

・曜日・・・・・・・・・・・・・・・平日、休日
・時間帯・・・・・・・・・・・・・朝、昼、夕方、夜、深夜等
・歩行者属性・・・・・・・・・性別、年齢別、職業別、通行目的等
・計測時間・・・・・・・・・・・何分間(何時間)計測するか

「曜日・時間帯」は、自店の業態や営業時間を考慮した上で調査しますが、最低限、平日と休日の同じ時間帯をいくつか調査しておいた方が良いでしょう。「歩行者属性」は、自店のターゲット層がどれ位店前を通るかということを把握するために調査します。性別以外の判別は困難なため参考程度に考えて大丈夫ですが、実際に自分の目で調査することにより実際の客層を把握することができます。「計測時間」は長い程データの正確性は増しますが、自店を長時間計測するよりは競合店の通行量も合わせて調査し、比較する方が立地を見る上では重要になります。

飲食店開業の基本は店舗コンセプトを磨き込むための調査から!飲食店の開業で失敗しないためにも、店前交通量調査を行うことが大切です。

著者: 水野剛志

Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。
■Credo税理士法人
http://credo-tax.com

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