昨今、転職市場は売り手市場、つまり転職希望者にとって有利な市況が続いていますが、税理士にとってもこの状況は例外ではありません。このような売り手優位の市況では、労働環境を変えるための転職はもちろんのこと、何か強みをつくりたいと考える税理士にとっても大いにチャンスとなるタイミングです。今回は、最近人気の資産税業務の中でも特に注目されている相続業務について、求人の特徴と選び方のポイントをご紹介します。

税理士に人気の求人は資産税業務

ここ数年、数ある求人の中でも人気なのが、資産税(相続・事業承継)に関わる業務です。通常この業務の求人は実務経験を重視する傾向にあり、スポットでの対応経験や申請書の作成経験等、何かしらの実務経験があることを応募の必須要件とすることが多い領域でした。ところが昨今の売り手市場の煽りを受けて、未経験者の採用枠を増やしている会計事務所や税理士法人が増えています。これに伴い、人気も急上昇しています。

将来的に資産税業務に関与したいと考えている方や、資産税のスキルに強みがある税理士を目指したいという方は、このチャンスを逃す手はありません。現在の市況でも、ベーシックな税務申告の経験や法人税務の実務経験を必須とする求人先もあり、決してハードルが低いわけではありませんが、大いにチャンスがある分野です。興味のある求人には積極的にアプローチしてみることをオススメします。

今後ますますニーズが増える相続税

資産税業務の中でも昨今人気の業務は、何と言っても相続税です。少子高齢化や税制改正など社会的な背景もあり、会計事務所での相続案件は増加が進み、それに伴い求人数も飛躍的に伸びている領域です。特に資産税特化の事務所や相続税に強い事務所では仕事量が急増し、人材獲得にも積極的になっています。実務経験者ともなれば引く手あまたです。

未経験で相続税業務に挑戦したいという声もよく聞きますが、この分野は他の求人と比べても未経験での採用枠が少ない業務分野です。いくら税理士としての実務経験が長くても、“相続経験ゼロ”となると転職は容易ではありません。せめて相続税法の科目を取得していないと、書類通過すら難しいという状況が少なくありません。