―独立を考えている士業の方にとっては、独立支援を担うようなサービスですね。

まさにそうですね。Gozalでは、各事務所の紹介ページを作成するというサービスも提供しています。まだ事務所のHPを作っていない方も、3分くらいでシンプルなデザインパターンの事務所HPを作ることができる機能です。ブログ機能もついているので、コンテンツマーケティングも自分ですぐに始められますし、商品出品のような機能も使えます。例えば「契約書チェック3万円」のような形で、Amazonで本を出品するように専門家のサービスを並べ、中小企業の方はクリックしていくと購入できる、そんなシステムを運用しています。独立された士業様は、まずここをWEBの基地のような位置づけで使っていただくこともできます。WEB上にチャット機能のように履歴が残るコミュニケ―ションツールやストレージ領域もあるので、幅広い使い方ができるのも特徴です。
当社のシステムは、このように幅広く機能を持たせることを前提にしていたので、基礎づくりに時間がかかっており、ようやく新しい機能をどんどん追加できるレベルまで来ました。
中小企業にとっては、例えば会社の定款や株主総会議事録、従業員ごとの労働条件通知書など、様々なバックオフィスに関するファイルをアップロードして管理できる機能もありますし、他にもその会社の状況に応じて「今このタスクをやらなきゃいけない」というようなタスクを自動で通知するような機能もあります。
それからGozal上で動画の配信サービスもやっています。中小企業向けに「知財の始め方」とか「社会保険の対応の仕方」「アプリの利用規約の作り方」といったバックオフィスのノウハウに関わる様々なテーマの動画を、現在50個くらい配信しています。士業の先生方と共同で開発させていただいたりしています。
他にも、クラウド上で会社設立ができるサービスを提供しているので、そこで起業して頂いた方にインタビューをさせて頂き、PRする記事を作成・配信させて頂いています。ユーザー企業のPRにも貢献させていただくという取組みをやらせてもらっているところです。いろいろな中小企業様の支援となる仕組みと、士業様の集客やWEB上でのコンテンツ管理を支援する、幅広いサービス提供ができているかなと思っています。
また最近では、インターコム(intercom)という海外のサービスを導入しました。これによりGozalのサービス上で、簡単に顧客とのコミュニケーションをとれるようになっています。ページの右下にチャットアイコンが出て、クリックするとユーザーの方が運営者にすぐに相談が打てるというものです。その運用を始めたところ、毎日10件程度、「こういうのをやってほしい」という意見や「こういった機能が欲しい」というようなフィードバックをいただくようになりましたね。これは非常に重要な情報で、それをベースに今後の開発ロードマップを作っています。定期的にユーザーのアンケートを取る取組みもやっていて、そこでどういう機能がほしいのかとか、現状どういうところに悩みがあるのかとか、ユーザーは今従業員何人で、どういう会社で、どのポジションにいて、こういうことをGozalに期待しているとか、実際に今までどういう機能をつかってどう良かったのかとかどう悪かったのかとかそういう声を集めています。一番大事な開発の資源になっています。
―ライバル会社はありますか?
ライバル会社と言えるかわかりませんが、近しい業態やサイトで言うと、海外のサービスが参考になるなと思っています。アメリカでいうとLegal Zoom(リーガル・ズーム)というサービスがあります。そこは社会保険の登録や申請、あるいは商標出願の申請など、いろいろな行政機関への届け出をオンラインでできるというサービスです。同様のサービスが中国でも話題になっていて、大型の資金調達をしているようです。世界各国で、オンライン上で中小企業のバックオフィス業務を自動化したり、届出のオンライン化を促進するサービスが出てきています。我々もそこを目指しているので、海外のサービスは非常に参考になりますね。
―HPを拝見したところ若い従業員の方が多いようですが、開発などは自社でされているのですか?
開発は全て自社です。今社内のメンバーは10人いるんですが、私を除いて9人が開発チームです。日々開発をしています。
実はすごい若造チームで(笑)、まだまだ経験が不足しているので、そこは我々として強みでも弱みでもあるところです。ただ、弱みを保管するという意味でいくと、4社の株主様からの支援は大きいですね。サイバーエージェント・ベンチャーズ様、ベンチャーユナイテッド様、セゾン・ベンチャーズ様、あとSpeee様というWEBマーケティングの会社様、この4社様に株主としてご参画いただいています。彼らはもちろん年次もだいぶ上で経験豊富な方々なので、彼らのアドバイスや支援を受けながらしっかり作っていくということを基本にしています。
―開発メンバーの方は、どういったバックグラウンドの方が多いのでしょうか。
まず中心になるのが一緒に創業したCTOですね。彼はもともと東工大の出身で、ずっとプログラミングをやってきました。一度サイバーエージェントに入社して、2年程度アプリやサービスの裏側をつくっていました。彼が開発チームを統括しています。
あとはその下にマーケティング担当兼任エンジニアが1人フルコミットで参加してくれています。彼はもともと自分で電子契約サービスを提供するスタートアップを創業していたんですが、理念が近いということで当社にジョインしてくれました。あとは大学院生とか大学生とかフリーランスの方とか、そういう方々を含めて10人という体制です。
―高谷社長もお若いですが、起業はいつ頃から考えていたのですか?
起業の経緯をお話ししますね。大学時代は神戸大学に在籍していました。大学3年生の時に会計士試験に運よく合格できて、監査法人の内定も3年生のうちにいただいたので1年暇な時間がありました。その間、ベンチャー4社くらいで開発や経理、労務といったいろいろな業務をやっていたところ、その楽しさを知ってしまったので、いつか自分でも事業をやりたいなという思いを持ちつつ監査法人に入社をしました。
入社して10ヵ月ほど経ったころに、サイバーエージェントさんが主催していた社会人参加型のビジネスコンテストがあり、それに参加をしました。400名くらい応募があり、書類選考で60名くらいに絞られて、さらにその60名でトーナメント戦を戦って、決勝では藤田社長にプレゼンできるというイベントでした。それになんとなく参加して、今やっているGozalというサービスを発表したところ、たまたま優勝をいただいて。その時の祝賀会で藤田社長と隣りの席になったんです。藤田さんから「本気でやるなら出資するよ」という話をいただいて、私もその時お酒を飲んで酔っていたので「じゃあ明日会社辞めます。やります!」と言って、実際に翌日あずさ監査法人に退職届を出しました。2ヵ月後に会社を創業し、そのあと実際にサイバーエージェントさんから出資をいただいて・・・という流れで創業に至りました。ちょっとお酒のノリもありつつ、もともとやりたかったというのもありつつ、やらせていただいているような流れです。
―「Gozal」というネーミングはどこから来ているのですか?
もともとは弁護士や税理士の方に、クラウド上で簡単に相談できる場所を創ろうというコンセプトで始めました。弁護士、税理士と言った士業の方はサムライ業とも呼ばれていますよね。サムライと言えば、江戸時代「~でござる」とか言っていそうだなという安易な理由で最初はつけました。
後付けで言うと、「ゴザル」は濁点が2つあって強いイメージがあり、3文字なので覚えやすくてインパクトがある。しかも海外に出たときに和のサービスなんだというのが伝わり易い。そういうブランディングにもなるなと思っています。覚えやすい名前だという言葉はよくいただきますね。



