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【IPO・CFOを経験した会計士が伝授する成功のポイント】CFOに至るまでのキャリア変遷~前編~

以前から面接の場面やキャリアの相談に乗った際、私のキャリアの考え方について説明を求められる機会があり「先を見据えてのキャリア構築は、今後の参考になりました。こういった話はあまり聞いた事が無いので聞けてよかったです。」といった意見を何回か頂きました。そのような経緯もありましたので、今回は、私のCFOまでのキャリアを振り返りつつ、どのような視点でキャリアを積み上げてきたのか紹介します。

私のキャリアとしては、大きく4つの期に分ける事ができます。

1.外部専門家期

2.事業会社内プロフェッショナル期

3.事業会社のマネジメント期

4.事業会社の役員期

2回に分けて記事を執筆しますが、前編である今回は、1.外部専門家期~2.事業会社内プロフェッショナル期について紹介します。

 

1. 外部専門家期

1.1 有限責任監査法人トーマツ(以降、トーマツ)

私のキャリアは、大学卒業後に公認会計士試験に合格してスタートしました。当時は、トーマツ、EY新日本有限責任監査法人、有限責任あずさ監査法人、中央青山監査法人といったBig4と呼ばれる監査法人がありました。大学時代から、「将来は、数字に強みを持った事業会社の取締役となって、会社の経営に携わりたい」と考えていたため、監査法人は4年程度で退職するつもりでした。そのため、最も厳しく、早く成長出来る監査法人はどこか?と、何名かの公認会計士の先輩にヒアリングしたところ、「それならトーマツだよ」という意見が多かったので、先輩の意見参考にしつつ、私なりに考えた結果トーマツを選びました。

トーマツでの仕事は楽しかったのですが、監査法人としての役割を続けていても、今後は厳しくなってくるのではないかと感じていました。そのため、公認会計士に登録した後「クライアントに寄り添ってサポートしたい」「M&Aに関わりたい」「税務も多少は経験したい」といった観点で働ける環境を探しました。

その結果、当時私の友人が勤めていて、「業務がかなり増えているにもかかわらず、人が足りていない環境だから大変だ」と聞いていたHSKコンサルティング株式会社を選びました。

 

1.2 HSKコンサルティング株式会社(以降HSK)

HSKで私が経験したことは、国内のM&A業務、ベトナム企業のM&A業務、病院のM&Aから財務顧問、財務会計コンサルティング、税務顧問、財務省での勤務、書籍出版と、私のキャリアの中で最も幅広く経験することが出来ました。当時はまだ会社内に公認会計士も少なかったため、様々な仕事に関与することが出来たので、とても運が良かったと思っています。

M&Aに関わる事で経営者と会話する機会も多かったことから、「経営について浅く広く学びたい」という思いが次第に強くなっていきました。そのため、キャリアを中断することなく夜間に通える、早稲田ビジネススクールでMBAを取得しました。また、ビジネススクールに通う事を通じて、私が目指している経営者像はCFOである事に気づきました。MBAの学位に価値を感じた事はありませんが、優秀な学友が出来た事、ビジネスに必要な知識を浅く広く学べた事に価値を感じています。

コンサルとして、国内のM&Aやベトナム企業のM&Aに関わる事により、今度は「事業会社の中からM&A~PMI(買収後の統合業務)に関わりたい」「アジア企業のM&Aやアジアへの進出に関わりたい」「事業会社の立場で外部専門家をマネジメントしたい」という気持ちが強くなりました。その観点で、企業を探していたところ、当時アジアのM&A~PMIを担当するポジションを募集していた株式会社リクルートと出会いました。当時、リクルートのサービスは多々利用していたのですが、リクルートがどのような企業であるかについてよく理解出来ていなかったので、これを機会にリクルートを理解したいという気持ちも強くなりました。

2. 事業会社内プロフェッショナル期

・株式会社リクルート

リクルートでは、アジア子会社のM&A~PMI、アジア子会社の内部統制~ガバナンス体制の構築、国内子会社の経営支援業務等を経験しました。当時のリクルートは、まだ海外企業に対するM&Aのノウハウを蓄積している最中であり、その過程に携われた事は大変運が良かったと感じています。そして、リクルートで学べたことは、「自分が何をしたいのかを明確にする」「数年後自分がどうなっていたいのかを考える」「強く当事者意識を持つ」といったことの大切さです。資格やスキル等はさほど重要ではなく、スタンスや考え方こそが大事だと学べました。これは普遍的なものですので、どこでも役に立ちます。

また、リクルートでの業務は、管理部門として、事業サイドの方と密に関与することが多くなりました。事業サイドの方は本当に優秀な方が多く、「人材輩出会社」と言われる事がよく分かりました。事業サイドの方と密なコミュニケーションをすることで事業の理解が深まり、本質的な問題に気づいて事業サイドの方に喜ばれる提案も出来ました。管理部門の立場から、事業部門に貢献する事の大切さを学ぶことが出来ました。

当時リクルートはIPOを目指していたので、M&Aや海外進出を一旦ストップする時期にさしかかりました。このタイミングで、事業会社でマネジメントを経験すること、事業会社の立場でIPOを経験したいと考えました。また、リクルートの事業内容がとても好きだったので、「どのような事業で社会に貢献しているのか」という点も重視した上で、次の企業を探しはじめました。

以上、私の、1.外部専門家期~2.事業会社内プロフェッショナル期にかけて、当時の考えを交えて紹介しました。次回は、3.事業会社のマネジメント期~4.事業会社の役員期について、当時の考えも含めて紹介します。今後CFOに興味を持つ方の役に立てれば幸いです。

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著者: 三橋秀一

CFOサポート株式会社 代表取締役/中央大学商学部客員講師

監査法人トーマツ出身の公認会計士。リクルート等を経て、(株)LITALICOでマザーズ上場、(株)アンビスホールディングスでジャスダック上場を経験。「自身の経験から複数の企業や個人に貢献したい」という思いから、2020年1月にCFOサポート(株)を設立。中小企業やIPOを目指す企業への業務支援、CFOや財務経理でキャリアを構築する個人への支援を行っている。また中央大学商学部客員講師も努め、毎年150名超の大学生に会計士の魅力や就職に役立つ情報を伝えている。
■CFOサポート株式会社
https://cfosupport.net/

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