新型コロナウイルスの影響拡大を受けて、国による事業者向けの新たな対応策が続々発表されています。新型コロナで資金繰りに難が生じている経営者向けに資金調達のポイントを説明します。第2回目は、コロナ関連の融資商品の特徴についてです。

「新型コロナウイルス感染症」に関する融資の特徴は?

新型コロナウイルス感染症対策の融資商品を取り扱う政府系金融機関として、大きくは日本政策金融公庫、保証協会、商工中金の3つがあります。共通して言えるのは、このような緊急事態にこそ強い金融機関であり、一般の融資商品と比べて下記の点でかなり好条件の商品となっているため、積極的に活用するべきであるということです。

①元金の据え置きと借入金期間

コロナ関連の融資商品では、元金の据え置き=“据置期間中は元金の返済が不要”の制度が充実しており、商品によっては据置期間が最長5年のものもあります。最長5年間の元金の据え置きはなかなか通ることは少ないですが1年~2年の据え置きについては対応してくれる金融機関が多いと思います。元金を据え置くメリットとしては、据置期間は毎月の支払いは利息のみとなるため、毎月の資金繰りが非常に楽になるというところです。

しかしながら、元金の据え置きをしてしまうと、据置期間が終わった残りの期間で元金の返済をする必要があるため、コロナが収束した後の毎月の資金繰りが厳しくなるという点がデメリットになります。ただこの点に関して、今回のコロナ関連の融資商品は運転資金であっても返済期間を15年と長くとっている商品が多いので、運転資金15年、据置期間5年で融資を受けた場合は、実質、返済期間を10年で融資を受ける場合と同じであり、通常時の運転資金の返済年数の相場が5年であることを考えるとかなり有利になっています。返済期間が長いと毎月の返済額が軽くなるため、資金繰り上のメリットも大きいです。また、返済年数が短いものであっても、据置期間が終わった後に借換えを行って、毎月の返済を適正金額にすることも可能です。

②実質無利子(利子補給)

日本政策金融公庫、商工中金から3年間の利子補給を受けられる実質無利子の融資が2020年3月から始まりましたが、いよいよ、2020年5月から民間銀行にも拡充され、保証協会付きの融資についても3000万円を限度として始まります。これらの融資については無利子なのでメリットしかないですが、注意してほしいのは、利子補給を受けられる上限金額は、金融機関ごとに異なるという点です。日本政策金融公庫の中小企業事業で融資を受ける場合は、1億円、国民生活事業で融資を受ける場合は3000万円、商工中金で融資を受ける場合は1億円となります。日本政策金融公庫の中小企業事業や商工中金は無利子の金額も大きいですが、その分、融資を申し込むための必要書類も多く、審査も厳しくなりますので、ご自身の状況に合わせた金融機関選びが重要となります。

③融資可能額

運転資金として申し込む場合、融資可能額は通常は平均月商の1ヶ月分や固定費の3カ月分が目安となりますが、売上が立たないこの状況下では通常よりも強気で多めに申請した方がよいでしょう。コロナ関連の商品に関する融資可能額については平均月商の3ヶ月分や必要経費の半年分を目安に算定しているという金融機関もあるそうです。

いずれにしても運転資金で申し込む場合、金融機関との面談にて適正額への減額を打診されますが、融資が断れるわけではありませんので強気で申請した方がよいでしょう。

 ここ数年頻発した不正融資の影響で、融資の審査がとても厳しくなっていましたが、今回のコロナにより国の支援のもと、各金融機関から好条件で融資を受けやすくなっています。コロナを追い風に変えるためにも、資金調達を積極的に検討していきましょう。


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