● 試験勉強を通して得られる「調整力」
仕事には調整がつきもの。部署間や会社間の調整が上手くいかず、ストレスを感じたり振り回されたりする方も多いのではないでしょうか。実は中小企業診断士試験を通して得られる知識は、そんな「調整力」を伸ばすものだったりするのです。デキる男への第一歩だったりするのです!(たぶん!)実体験をもとに説明しましょう。
私は以前、大企業のエンジニアとしてモノづくりの最前線で働いていました。先の図だと「工場」や「研究開発部」あたりですかね。経験や工学系の専門知識が物を言う職場でした。
そういった職場には発言力のある大ベテランや百戦錬磨の猛者がつきもの。そういった”プロ”のおかげで製造現場は回っているのですが…プライドもあって部署間の調整が難航することもしばしば。特に製造部と商品企画部の対立は根深いところがあります。
商品企画部より、「新機能を追加するので、設計をイチからやり直すことにします!」
なんて話が上がった日には大荒れです。製造部からは「今頃言うな!」、商品企画部からは「役員会での決定事項です!」という具合に対立が激化します。修羅場。そんな場面において、意外や意外、中小企業診断士の力が発揮されるのです。
● 何が見えていて、何が見えていないのか。中小企業診断士の視点。
各分野のプロには専門知識の深い理解や多くの経験があり、それこそがまさに企業の宝物ですが、それゆえに視野が狭くなってしまうということもあります。現場プロと商品企画プロの視野を、冒頭の図に追加してみましょう。

さきほど起こっていた対立は、こういった構図です。このままでは収拾がつきません。(結果的にパワーバランスから役員の決定を武器にした商品企画部が勝つのでしょうが、これでは溝が深まるばかりです。)
でも、中小企業診断士の勉強した人にはこの図の全体が見えているのです。調整相手に何が見えていて、何が見えていないのか。そういった状況を客観的、俯瞰的に見ることができるのです。こういった視点こそが、調整するポイントだったりします。具体的にはこんな感じです。
1.商品企画プロの視野
新機能の追加を決定した背景には、マーケティングの視点から競合他社の動向、市場ニーズの調査などがあったはずです。(3C分析)
これを工場プロと共有できれば必要性を理解してくれて前向きな協力が得られるはず。
2.工場プロの視野
製造工程の大幅変更を心配しているはず。そのための投資コストについて考えれば、新機能の追加は会社にとって本当にメリットがあるのか(設備投資の経済性計算)、はたまた、販売開始タイミングや品質確保も考えると果たして現実的なのか(生産管理のQCD)、という現場レベルの疑問や不安があるのでしょう。
中小企業診断士ならではの幅広い知識を使って、このように状況を整理することができるのです。そして、白熱した議論が続く中で、このように切り出すのです。
「商品企画部さん、言いたいことはわかります。しかし、その決定に至るまでには様々な検討があったのではないですか?ライバル社の製品動向とか、お客様のニーズ調査とか。そういった背景から説明してくれませんか?」
「でも、製造部としてはこのままでは製造工程が大幅に変える必要があり対応できません。投資コストがかなりかかります。試算してみますが、現実的ではないと思います。そのうえで相談です。新機能はオプションとして限定した数量にすれば対応できるかもしれません。どうですか?(→製造部の大ベテランと商品企画部の顔を見る」」



