中小企業の生産性向上や業務効率化のためのIT化を支援する「IT導入補助金」。新型コロナウイルスが企業活動に影響を与えている中、非対面ビジネスへの転換やテレワーク環境の整備に取り組む企業のIT導入を支援する特別枠が設けられています。従来のIT導入補助金に比べて補助率の引き上げなどがなされており、より一層、企業活動を後押しする内容になっています。この補助金のポイントや申請方法などを説明します。

まず、IT導入補助金(特別枠)の概要を見ていきましょう。

■IT導入補助金の概要

・中小企業がITベンダーなどからITツールを購入して導入するにあたり、その費用に対して補助されるものです。

出典:IT導入補助金2020ホームページ

■補助対象経費

ITツールのソフトウェア費や導入関連費、ハードウェアレンタル費となります。細かくは次のように分類されています。

出典:IT導入補助金公募要領

大分類Ⅰ:ソフトウェアの中に、6つの業務プロセスが示されていますが、この中から1つ以上に当てはまるソフトウェアを導入する必要があります。ハードウェアのレンタルは対象になりますが、購入は対象になりませんので注意が必要です。申請できるITツールは、あらかじめ事務局に登録されているものとなります。該当するITツールは、▶こちらから検索できます。

また、今回の特別枠では、次の甲・乙・丙の3つのいずれかの目的のITツールが1つ以上必ず含まれていること、該当するツールの導入にかかる経費が補助対象経費全体の1/6以上を占めていることが申請の要件となります。

  • 甲:サプライチェーンの毀損への対応(顧客への製品供給を継続する)
  • 乙:非対面型ビジネスモデルへの転換(非対面・遠隔でのサービス提供が可能なビジネスモデルに転換する)
  • 丙:テレワーク環境の整備(従業員がテレワーク(在宅勤務等)で業務を行う環境を整備する)

■補助率、補助上限額

補助率については、「甲:サプライチェーンの毀損への対応」に合致するツールを導入する場合は、2/3になります。補助上限額は150万円(未満)です。賃金引上げ計画を作成して従業員に表明する場合、補助上限額は450万円にアップします。

「乙:非対面型ビジネスモデルへの転換」や「丙:テレワーク環境の整備」に合致するツールを導入場合は、3/4になります。補助上限額は300万円(未満)です。こちらも、賃金引上げ計画を作成して従業員に表明する場合、補助上限額は450万円にアップします。

出典:IT導入補助金2020ホームページ

次に申請の流れや必要な書類について説明します。