新型コロナウイルス対策として国や自治体からさまざまなお金が支給されました。ただ、フリーランスの中には確定申告をしていなかったばかりに受け取れない人もいたようです。今回はこの現象に触れるとともに、フリーランスが確定申告をしておくべき理由について解説します。

■コロナでフリーランスは勝ち組と負け組に分かれた

コロナ禍で多くのフリーランスが自粛・休業に追い込まれました。しかしすべてのフリーランスが窮地に追い込まれたわけではありません。国や自治体からお金をもらって収入減を乗り切った人と明日の生活にも困る人に分かれました。いわば勝ち組と負け組に分かれたわけですが、分かれ目となったのは「毎年確定申告をしていたかどうか」でした。

●確定申告をしていたフリーランスはお金がもらえた

事業主向けの給付金や補助金は、少なからず確定申告書や決算書等の提出を義務付けています。例えば次のようなお金です。

  • ・持続化給付金
  • ・家賃支援給付金
  • ・持続化補助金
  • ・IT補助金
  • ・ものづくり補助金(一般型)

この他、収入が激減して生活困難になったときにもらえる住居確保給付金でも、預金通帳だけでなく確定申告書や廃業届をもって生活状況を説明しなくてはなりません。また、雇用調整助成金は必要書類に確定申告書と明記していません。しかし、前年同月比で5%以上売上が減少していることを示すには、決算書や内訳書がうってつけです。

つまり、毎年コツコツ確定申告を行っていたフリーランスはこういった支援をフル活用して基盤を維持することができたのです。

●税金を納めたくない事業主は損

一方、確定申告をしてこなかったフリーランスは憂き目に遭いました。お金がなくても家賃や光熱費は払わなくてはなりません。生活や事業を維持できなくなるからです。

「確定申告してわざわざ税金を払うなんてばからしい」と思っているといざというときに困るという現実が、今回のコロナ禍で浮き彫りになったといえます。