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新米経理必見!3分でわかる業務手順 第13回「経理の役割や経理業務の流れ①」

経理は数字を管理し、会社経営に役立てる言わば、会社の大黒柱。今回から2回に分けて、経理の役割や経理業務の一連の流れを紹介していきます。

経理の役割

経理の役割を一言で表すと「会社の活動を数字で表し、経営を管理すること」と言えます。会社は、継続的に事業を行って成長していくために、日々様々な活動を行っています。経理は、その活動を数字に落とし込み、決算を締めたり、経営層が意思決定を行う材料を提供したりします。

元々経理は「経営管理」という言葉の略称であり、とても広義な言葉です。経営管理というと、経理のみならず、労務や総務部門も内包されるような印象を持ちますよね。

実際、経理担当者が経理業務のみを行っている会社は限られており、多くの会社では、労務や総務業務を兼任していることでしょう。特に中小企業では、ひとりバックオフィス体制の会社が多いという話をよく聞きます。そのような企業では、日常経理業務から給与計算、取締役会資料作成、ならびに経営層の相談役など、非常に幅広い知識・知見が求められます。一方、上場企業をはじめとした大企業では、業務の細分化が進んでいるケースが多く、経理部署のスタッフは、年間通して経理業務を行っていることが多いでしょう。

なお、経理業務のみを行っている経理を狭義の経理、労務や労務業務など幅広くお仕事をしている経理を広義の経理と呼ぶこともあります。

 

経理業務の流れ

経理業務の流れを、①日常発生業務、②月次発生業務、③年度発生業務の3軸に分けて見ていきましょう。

ここでは先述の狭義の経理のうち、①日常発生業務、②月次発生業務について解説します。③年度発生業務と広義の経理については、次回記事でご紹介いたします。

 

①日常の経理業務

日常的な経理業務として、現金の出納管理、立替経費の処理、購買処理、売上集計、債権管理、信用調査などがあります。それぞれについて見ていきましょう。

・現金の出納管理

現金の出納管理を行います。クレジットカードを利用できるサービスが増えたため、従前より登場頻度は少なくなりましたが、郵便局での支払いなど、現金が必要なケースはまだまだ多く、日々の管理が必要です。通常、現金の出し入れをしたら、小口現金出納帳に記録をしていきます。

・立替経費処理

従業員が立て替えた経費の精算や、出張旅費の仮払い処理を行います。現金で精算か、振込で対応します。従業員が多い会社では、立替経費の件数が多くなることから、月末締めで、翌月に一括精算する会社がほとんどです(詳しくは、次項の②月次の経理業務をご参照ください)

・購買処理

オフィス備品や、各部門より購入申請があった備品の購買処理を行います。クレジットカードや振込で支払いを行うことが通常です。資産管理対象の備品を購入した場合、備品が到着次第、日付や使用者、用途などの情報を資産管理台帳に記録します。

・売上集計

案件の受注状況や、売上に関する情報を専用のシステムに入力します。営業や営業事務担当者がこの作業を行っている会社も多くあります。

また、飲食店など日次で売上や仕入を集計、管理する必要のある会社では、日常の経理業務として当該業務を行います。

・債権管理

売上金額の入金確認を行います。全ての売上が、月末入金であれば、次項②月次の経理業務として行えば良いのですが、支払いサイトが複数ある場合、日々入金状況をモニタリングする必要があります。また、振込前払いを、顧客に要請している会社は、日々の確認業務が多くなるでしょう。

・信用調査

新規取引先の顧客に対し、信用調査を行い、取引限度額を定めた上で、取引を開始します。信用調査は日経テレコンなど専用サービスを用いるほか、信用調査を専門としている業者に依頼することもできます。

 

②月次の経理業務

月次の経理業務として、売上請求、債権管理、月次決算、源泉所得税納付、給与計算などがあります。

・債権管理

売上の未入金がないか確認します。通常、月末に顧客から先月分の売上入金がされます。未入金の債権がある場合には、営業担当者などと連携し、先方に督促の連絡を行うようにします。

・立替経費処理

先月分の従業員から申請があった立替経費をレシートや領収書と照らし合わせた上で集計します。集計後は月次決算に反映させた上で、精算準備に取り掛かります。

・月次決算

前の月の決算を締め、売上と利益を確定させる作業を行います。税務上は1年に1回の年度決算のみ要請されていますが、毎月決算を行うことで自社の経営状態を早期に把握でき、経営に生かすことができます。

・予実管理

月次決算を締めたら、予算額と月次決算の実績を比較し、差異分析を行います。差異分析を行うことにより、予算を達成できた原因、できなかった原因が明確化され、将来の経営意思決定に役立てることができます。

・源泉所得税納付

給与や報酬から天引きした源泉所得税を納付します。原則、毎月10日迄に先月分の源泉所得税を納付します。なお、従業員が少ない会社は半年に1回の納付でOKという特例措置があります。

・給与計算、支払

先月分の勤怠を締めて、給与計算を行います。計算自体は、社労士さんに委託しているケースも見られます。計算結果を元に、給与を支給します。立替経費の精算を給与計算に加算するかたちで行う会社も多いでしょう。

・売上請求

売上を集計し、請求書を発行します。先に発行、締結している見積書や個別契約書の内容と照らし合わせて、相違がないよう注意します。月末月初の計5営業日ほど用いて、発行する会社が多いように思えます。

・取引先への支払

月末が期日の振込(仕入先、外注先、会計士等士業への支払い)を行います。最終営業日の数日前から余裕を持って、準備に取り掛かりましょう。

・社会保険料納付

月末に、社会保険料を納付します(月末が休日の場合は翌営業日)。銀行窓口で納付できますが、引き落としにしておいた方が圧倒的に便利です。

 

今回はここまでです。次回記事では、年間の経理業務の流れと、経理以外のお仕事についてご紹介していきます。

 


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著者: 篠原泰之

バックオフィス複業マン

1990年生まれ。東京都出身。スタートアップで経営管理業務に従事する傍ら、管理部門構築支援や事業計画策定、執筆活動など、財務経理を軸に幅広く活動している。日商簿記1級保有。

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